第113回 看護師国家試験 午後 問38 解説
📝 問題
健康な成人の皮膚で正しいのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 健康な成人の外陰部にはアポクリン汗腺が存在する。
汗腺にはエクリン汗腺とアポクリン汗腺の2種類がある。エクリン汗腺がほぼ全身にあるのに対し、アポクリン汗腺は腋窩・外陰部・乳輪・外耳道に限られる。
ほかの選択肢は、表皮の構造と皮膚表面の性質で見分けられる。表皮は下から基底層→有棘層→顆粒層→角質層と積み重なり、はがれ落ちて垢になるのはいちばん外側の角質層である。 皮膚の表面は皮脂膜におおわれて弱酸性に保たれ、紫外線を吸収するのはケラチンではなくメラニンである。
皮脂膜とは
皮脂と汗がまじってできる、皮膚の表面をおおう薄い膜。弱酸性に保つことで細菌の繁殖を抑えている。
- 1
垢として剝がれ落ちるのは基底層である。不正解
垢として剝がれ落ちるのは最外層の角質層であり、基底層は最下層で細胞分裂を行う層である。
- 2
外陰部にはアポクリン汗腺が存在する。正解
アポクリン汗腺は腋窩・外陰部・乳輪などの特定部位に限局して存在する。
- 3
皮膚表面は弱アルカリ性である。不正解
皮膚表面は皮脂膜により弱酸性(pH 4.5〜6程度)に保たれている。
- 4
ケラチンは紫外線を吸収する。不正解
紫外線を吸収するのはメラニンであり、ケラチンは角質を構成する構造タンパクである。
📚 ここも一緒におさえておこう
皮膚は、表皮の層とターンオーバー、2種類の汗腺の違いが繰り返し問われる。
- 表皮のターンオーバーは約4〜6週間で、基底層で生まれた細胞が角質となって脱落する
- 皮膚のバリア機能は角質層と皮脂膜(弱酸性)が担い、洗いすぎや乾燥はバリアの破綻を招く
- メラニンは基底層のメラノサイトで産生され、紫外線を吸収して細胞のDNA損傷を防ぐ
| 項目 | エクリン汗腺 | アポクリン汗腺 |
|---|---|---|
| 分布 | ほぼ全身 | 腋窩・外陰部・乳輪・外耳道 |
| 発達 | 出生時から機能する | 思春期以降に発達する |
| 汗の性状 | 水分主体でにおいはほとんどない | 脂質・タンパクを含み、細菌分解で体臭の原因となる |
| 主な役割 | 体温調節(温熱性発汗) | 体臭に関与する分泌 |
参考: 標準的な皮膚(表皮・汗腺)の解剖生理
出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について