第113回 看護師国家試験 午後 問33 解説
📝 問題
Broca〈ブローカ〉失語のある患者とのコミュニケーションで適切なのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ Broca(ブローカ)失語では、はい・いいえで答えられる閉じた質問を活用する。
Broca(ブローカ)失語は運動性失語(非流暢性失語)ともよばれ、言葉の理解は比較的保たれるが、話す(表出する)ことが著しく難しくなる。そのため「はい/いいえ」やうなずきで答えられる閉じた質問にすると、意思疎通が図りやすい。
困っているのは聞き取りではなく表出なので、大きな声で話す・単語だけで話しかけるといった工夫は要らない。書字も障害されやすく、文字盤も向かない。 焦らせずに待つ、選択肢を示すといった、答える負担を減らす関わりが有効である。
運動性失語とは
Broca失語の別名で、言葉の意味は分かるのに声や文字にして出せない状態をいう。口や舌そのものが動かないわけではない点で、構音障害とは異なる。
- 1
閉じた質問〈closed question〉を活用する。正解
発話が困難でも理解は保たれるため、はい・いいえで答えられる閉じた質問が意思疎通に有効である。
- 2
大きな声で質問する。不正解
聴力の低下ではなく発話の障害であるため、大きな声で話す必要はない。
- 3
単語で話しかける。不正解
理解は比較的保たれるので、単語のみに限定して話しかける必要はない。
- 4
文字盤を用いる。不正解
Broca失語では書字も障害されやすく、文字盤は必ずしも有効な手段とはならない。
📚 一緒に確認しよう
失語症では、発話・理解・復唱のどこが障害されるかを確認してコミュニケーション方法を選ぶ。
- 失語は言語中枢の障害であり、発音・構音の運動障害である構音障害とは区別する
- 多くの人で言語中枢は左半球(優位半球)にあるため、失語は右片麻痺を伴いやすい
| 型 | 主な損傷部位 | 発話 | 理解 | 復唱 |
|---|---|---|---|---|
| Broca(ブローカ)失語(運動性) | 左前頭葉下部(Broca野) | 非流暢・努力性 | 比較的良好 | 障害 |
| Wernicke(ウェルニッケ)失語(感覚性) | 左側頭葉上部(Wernicke野) | 流暢だが錯語が多い | 障害 | 障害 |
| 伝導失語 | 弓状束 | 流暢 | 良好 | 強く障害 |
| 全失語 | 広範な左半球 | 非流暢 | 障害 | 障害 |
参考: 標準的な失語症分類(Broca失語・Wernicke失語)
出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について