第113回 看護師国家試験 午後 問27 解説
📝 問題
Ramsay Hunt〈ラムゼイ・ハント〉症候群は顔面神経麻痺症状を主症状とする。原因となるウイルスはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ Ramsay Hunt(ラムゼイ・ハント)症候群の原因は水痘帯状疱疹ウイルスである。
Ramsay Hunt(ラムゼイ・ハント)症候群は、膝神経節に潜伏していた水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化して起こる。顔面神経麻痺に加え、耳介・外耳道の帯状疱疹(水疱)、耳痛、難聴やめまいといった内耳の症状を伴うのが特徴である。
水痘帯状疱疹ウイルスは初感染で水痘(みずぼうそう)を起こし、治ったあとも神経節に潜伏する。加齢や免疫の低下で再活性化すると帯状疱疹を生じ、顔面神経の領域で起これば本症候群となる。単純ヘルペスウイルスが関わるのはBell(ベル)麻痺のほうである。早期の抗ウイルス薬投与が予後を左右する。
膝神経節とは
顔面神経の途中にある神経細胞の集まり。耳のすぐ内側にあり、ここが障害されると顔面神経麻痺と耳の症状が一緒に起こる。
帯状疱疹とは
神経節に潜んでいた水痘帯状疱疹ウイルスが再び活動し、神経に沿って帯状に水疱と痛みが出る病気。
- 1
アデノウイルス不正解
アデノウイルスは咽頭結膜熱や流行性角結膜炎などの原因で、本症候群の原因ではない。
- 2
インフルエンザウイルス不正解
インフルエンザウイルスは本症候群の原因ではない。
- 3
水痘帯状疱疹ウイルス正解
水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化が膝神経節で起こり、本症候群を発症する。
- 4
単純ヘルペスウイルス不正解
単純ヘルペスウイルスはベル麻痺などに関与するが、本症候群の原因ウイルスではない。
📚 一緒に確認しよう
末梢性顔面神経麻痺は、中枢性との見分けと、麻痺した側の目のケアが問われる。帯状疱疹の予防もあわせて覚えよう。
- 中枢性顔面神経麻痺では額のしわ寄せが可能、末梢性では額を含む同側顔面全体が麻痺する
- 麻痺側は閉眼できず角膜が乾燥するため、点眼・眼軟膏・眼帯で角膜保護を行う
- 帯状疱疹は50歳以上で増加する。帯状疱疹ワクチンは令和7(2025)年4月から、65歳の人などを対象に定期接種となった
| 疾患 | 原因 | 特徴 |
|---|---|---|
| Bell(ベル)麻痺 | 単純ヘルペスウイルスの再活性化が有力 | 最も頻度が高い。耳症状は乏しい |
| Ramsay Hunt(ラムゼイ・ハント)症候群 | 水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化 | 耳介の水疱・耳痛・難聴・めまいを伴い予後がやや不良 |
参考: 標準的な感染症・耳鼻咽喉科学(Ramsay Hunt症候群)
出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について