第113回 看護師国家試験 午後 問16 解説
📝 問題
手術予定の患者が服用している場合、安全のために術前の休薬を検討するのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 術前に休薬を検討するのは、出血リスクを高める抗血小板薬である。
抗血小板薬(アスピリン、クロピドグレルなど)は血小板の凝集を抑えて血栓形成を防ぐ薬であり、服用中は手術時に出血が止まりにくくなる。そのため出血リスクの高い手術では、術前に一定期間の休薬を検討する。
鉄剤・冠血管拡張薬・プロトンポンプ阻害薬は、手術時の出血傾向を直接高める作用はなく、原則として術前休薬の対象にはならない。 抗血小板薬・抗凝固薬(ワルファリン、DOAC(直接経口抗凝固薬)など)は出血リスクとの兼ね合いで休薬・継続・代替(ヘパリン置換)を判断する点を押さえておく。 休薬の可否は基礎疾患のリスクも含め医師が総合的に判断する。
- 1
鉄剤不正解
鉄剤は貧血治療薬で出血傾向を高めず、術前休薬の対象ではない。
- 2
抗血小板薬正解
抗血小板薬は血小板凝集を抑え出血しやすくするため、術前休薬を検討する。
- 3
冠血管拡張薬不正解
冠血管拡張薬は出血傾向に直接関与せず、休薬対象ではない。
- 4
プロトンポンプ阻害薬不正解
プロトンポンプ阻害薬は胃酸分泌抑制薬で、術前休薬の対象ではない。
📚 ここも一緒におさえておこう
休薬は血栓症のリスクと出血リスクを比較して医師が判断する。自己判断での中止は心筋梗塞・脳梗塞を招くため、患者には必ず指示に従うよう説明する。
| 薬剤 | 注意点 |
|---|---|
| アスピリンなどの抗血小板薬 | 出血リスク。薬剤・手術内容・血栓症リスクに応じて休薬または継続を判断 |
| ワルファリン | PT-INRを確認。3〜5日前に休薬しヘパリンに置換することがある |
| DOAC(直接経口抗凝固薬) | 腎機能に応じて1〜4日前に休薬 |
| ビグアナイド薬(メトホルミン) | ヨード造影剤使用時は乳酸アシドーシス予防のため一時中止 |
| 経口血糖降下薬・インスリン | 絶食に合わせて量を調整し低血糖を防ぐ |
参考: 標準的な周術期管理(抗血栓薬の休薬)
出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について