第113回 看護師国家試験 午前 問89 解説

一般老年看護学✔ 監修済み

📝 問題

高齢者の健康障害の特徴はどれか。2つ選べ。

✅ 正解

4・5

💡 解説

✅ 高齢者では薬による有害事象が出現しやすく、原疾患と関連のない老年症候群も生じやすい。

高齢者は加齢で薬が体内に長くとどまるようになり、複数の薬を併せて飲む(ポリファーマシー)ことも多い。そのため薬による有害事象が出やすい。

もう一つの特徴が老年症候群である。転倒・失禁・せん妄・低栄養のように、もとの病気とは直接結びつかない症状がまとめて現れる。

  • 1

    原因を特定しやすい。不正解

    複数の疾患や要因が絡むため、原因はむしろ特定しにくい。

  • 2

    症候が定型的である。不正解

    症候は非定型的で、典型的な症状が現れにくいことが多い。

  • 3

    若年者と比較して個人差は少ない。不正解

    加齢経過や生活歴の違いから、若年者より個人差はむしろ大きい。

  • 4

    薬物による有害事象が出現しやすい。正解

    薬物動態の変化や多剤併用により、薬物による有害事象が出現しやすい。

  • 5

    原疾患とは関連のない老年症候群が発生しやすい。正解

    転倒・失禁・せん妄など、原疾患と直接関連しない老年症候群が生じやすい。

📚 これとセットで理解しよう

高齢者の健康障害は「多病・非定型・個人差が大きい・薬物有害事象が多い・老年症候群を伴う」が基本の型で、疾患だけでなく生活機能全体をみるアセスメントが求められる。

  • 老年症候群=転倒・失禁・褥瘡・せん妄・低栄養・認知機能低下・フレイルなど、原因が多元的で治療よりケアと生活支援が中心となる症候群。
  • 加齢により腎排泄能と肝代謝能が低下し、体内水分量と血清アルブミンが減少、体脂肪の割合が増えるため、薬物の作用が強く長く出やすい。
  • 特に慎重な投与を要する薬物=ベンゾジアゼピン系睡眠薬(転倒・せん妄)、抗コリン薬(口渇・便秘・尿閉・認知機能低下)、非ステロイド性抗炎症薬(腎障害・消化管出血)。
  • フレイルは可逆的な虚弱状態で、体重減少・疲労感・活動量低下・歩行速度低下・握力低下の5項目で評価する。

参考: 老年看護学における高齢者の健康障害の特徴

出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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