第113回 看護師国家試験 午前 問88 解説

一般成人看護学✔ 監修済み

📝 問題

肝硬変による肝性脳症で生じるのはどれか。2つ選べ。

✅ 正解

2・4

💡 解説

✅ 肝性脳症では、意識障害を伴う異常行動と羽ばたき振戦がみられる。

肝硬変では肝臓の働きが落ち、さらに血液が肝臓を通らずに流れる門脈大循環短絡が加わって、腸で作られたアンモニアなどの有害物質が処理されないまま脳に届く。これが肝性脳症である。

症状は大きく2つ。意識障害・見当識障害・性格変化・異常行動といった精神症状と、手関節を伸展させたときに手がひらひらと動く羽ばたき振戦である。

  • 1

    浮腫不正解

    浮腫は低アルブミン血症による肝硬変の症状で、肝性脳症そのものの症状ではない。

  • 2

    異常行動正解

    意識障害や見当識障害を伴う異常行動は肝性脳症の精神症状である。

  • 3

    くも状血管腫不正解

    くも状血管腫はエストロゲン代謝低下による皮膚所見で、肝性脳症の症状ではない。

  • 4

    羽ばたき振戦正解

    手関節を伸展させたときにみられる羽ばたき振戦は肝性脳症に特徴的である。

  • 5

    メドゥーサの頭不正解

    メドゥーサの頭は門脈圧亢進による腹壁静脈の怒張で、肝性脳症の症状ではない。

📚 これとセットで理解しよう

肝性脳症は、何をきっかけに悪くなるかと、その裏返しである治療がつながっている。肝硬変で起こる他の合併症もあわせて確認しよう。

  • 誘因=便秘、消化管出血、高蛋白食、脱水、利尿薬による低カリウム血症とアルカローシス、感染、鎮静薬。
  • 治療=ラクツロース(腸内を酸性にしてアンモニアの吸収を抑え、排便を促す)、分岐鎖アミノ酸〈BCAA〉製剤、難吸収性抗菌薬。
  • 肝硬変の他の合併症=食道・胃静脈瘤、腹水、特発性細菌性腹膜炎、肝腎症候群、肝細胞癌。
肝性脳症の昏睡度(犬山分類)
昏睡度状態
Ⅰ睡眠・覚醒リズムの逆転、多幸的あるいは抑うつ的。自覚的にだけ問題がある
Ⅱ見当識障害、異常行動、傾眠傾向。羽ばたき振戦がみられる
Ⅲ強い傾眠、興奮や譫妄。呼びかけで開眼するが指示に従えない
Ⅳ昏睡。痛み刺激には反応する
Ⅴ深昏睡。痛み刺激にも反応しない

参考: 標準的な消化器病学(肝性脳症の症候)

出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

この問題をアプリで演習しませんか?

この1問を演習する(無料)第113回の問題一覧を見る