第113回 看護師国家試験 午前 問77 解説
📝 問題
小脳の機能はどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 小脳は随意運動を協調的に制御する中枢である。
小脳は運動の協調・平衡・姿勢の調節を担い、随意運動を滑らかに制御する働きをもつ。運動の開始そのものではなく、運動を微調整して協調的に遂行させる役割である。 小脳障害では運動失調・企図振戦・測定障害・平衡障害が生じる。
「小脳=運動の調整役」と覚える。動きを起こす指令は大脳が出し、小脳はそれをなめらかに整える。小脳が障害されても麻痺は起こらない点が特徴である。
- 1
睡眠と覚醒不正解
睡眠と覚醒の調節は脳幹網様体や視床下部が中心的に担う。
- 2
姿勢反射の中枢不正解
姿勢反射の主要な中枢は脳幹(前庭核・赤核など)であり、小脳はその調節に補助的に関与する。
- 3
振動感覚の中継不正解
振動感覚は後索−内側毛帯路を上行し視床で中継され、小脳の機能ではない。
- 4
随意運動の制御正解
小脳は随意運動を協調的に制御し、平衡や姿勢の調節を担う。
- 5
下行性の疼痛抑制不正解
下行性の疼痛抑制は中脳水道周囲灰白質や延髄縫線核などが担う。
📚 混同しやすいので注意
小脳の障害は、似た症状を出す他の部位と見分けられるかが問われる。どの部位が障害されると何が起こるかを、対にして確認しよう。
- 小脳障害ではRomberg(ロンベルグ)徴候は陰性(閉眼で動揺が増悪しない)。閉眼で著明に悪化するのは脊髄後索障害による感覚性失調である。
- 小脳の症状は同側に現れる(大脳のように交叉しない)。
| 部位 | 主な機能 | 障害でみられる症状 |
|---|---|---|
| 大脳(前頭葉) | 随意運動の指令、意欲・判断、運動性言語中枢(Broca野) | 対側の片麻痺、脱抑制、運動性失語 |
| 小脳 | 運動の協調、平衡、筋緊張の調節 | 運動失調、企図振戦、測定障害、断綴性言語、酩酊様歩行 |
| 視床 | 嗅覚以外の感覚の中継 | 感覚障害、視床痛 |
| 視床下部 | 自律神経・内分泌・体温・摂食・飲水・睡眠覚醒の調節 | 体温異常、尿崩症、摂食異常 |
| 脳幹 | 呼吸・循環中枢、意識の維持(網様体)、脳神経核、姿勢反射 | 呼吸循環障害、意識障害、脳神経症状 |
参考: 標準的な神経生理学(中枢神経の機能局在)
出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について