第113回 看護師国家試験 午前 問64 解説
📝 問題
患者とその家族や医療者が患者にとって望ましい治療を探り、お互いが納得する治療を選択できるようにしていくのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 患者・家族・医療者が協働して、双方が納得する治療を選んでいくことを共同意思決定という。
共同意思決定〈SDM〉は、患者とその家族、医療者が情報と価値観を共有しながら、患者にとって望ましい治療をともに探り、双方が納得する治療を選択していくプロセスである。 設問の記述はこの定義に合致する。
意思決定そのものを協働で行うのは共同意思決定だけである。
- 1
心理教育不正解
心理教育は疾患・治療・対処法についての知識や情報を提供する教育的介入である。
- 2
共同意思決定正解
共同意思決定は患者・家族・医療者が協働して納得できる治療を選択する過程である。
- 3
ストレングス不正解
ストレングスは対象者のもつ強みや長所に着目する視点であり、意思決定の協働そのものではない。
- 4
アドヒアランス不正解
アドヒアランスは患者が治療方針の決定に参加し積極的に治療を守ることを指す。
📚 混同しやすいので注意
意思決定を支える言葉は、意味だけでなく「どの場面で使うか」まで問われる。名前が似ているものほど、使いどころで区別しよう。
- 共同意思決定は、選択肢が複数ありどれが最善か一つに定まらない場面(治療法の選択、療養場所の決定など)で特に有用である。
- 将来の医療・ケアについて本人・家族・医療者があらかじめ繰り返し話し合う過程をアドバンス・ケア・プランニング(ACP〈エーシーピー〉)という。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| インフォームド・コンセント | 十分な説明を受け、理解したうえで患者が同意すること |
| 共同意思決定〈SDM〉 | 医学的根拠と患者の価値観を共有し、患者・家族と医療者が協働して治療を選ぶ過程 |
| アドボカシー | 患者の権利を擁護し、代弁する機能 |
| アドヒアランス | 患者が治療方針の決定に参加し、主体的に治療を継続すること |
| ストレングス | 対象者のもつ強み・能力・意欲・環境資源に着目する視点 |
| 心理教育 | 疾患・治療・対処法についての知識や情報を提供する教育的介入 |
参考: 標準的な看護倫理・意思決定支援の概念(shared decision making)
出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について