第112回 看護師国家試験 午後 問33 解説
📝 問題
健康に関する指標の記述で正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 受療率は、推計患者数を人口10万人当たりに換算した値である。
受療率は、患者調査で数えた推計患者数を人口10万人当たりに換算した指標である。調査日の一日に医療施設で受療した患者数を、人口10万対で表す。
各指標の定義を混同しないことが重要である。罹患率が高くても罹病期間が短い(治りやすい・死に至る)疾患では有病率は必ずしも高くならず、「有病率=罹患率×罹病期間」の関係を理解しておく。推計患者数は患者調査で医療施設を利用した患者を対象とし、助産所の利用者は含まない。平均在院日数は「調査時点で入院中の者」ではなく、一定期間に退院した患者の在院日数の平均として算出される。
患者調査とは
全国の医療施設を利用した患者を対象に、国が行う調査。推計患者数・受療率・退院患者平均在院日数はここから出る。
罹病期間とは
病気にかかってから治る、または亡くなるまでの期間。これが長いほど、同じ時点でその病気をもっている人が増える。
- 1
罹患率が高い疾患は有病率が高くなる。不正解
有病率は罹患率と罹病期間の積に左右され、罹患率が高くても罹病期間が短ければ有病率は高くならない。
- 2
推計患者数には助産所を利用した者を含む。不正解
推計患者数は医療施設の利用者が対象で、助産所を利用した者は含まない。
- 3
受療率は人口10万人に対する推計患者数である。正解
受療率は推計患者数を人口10万人当たりに換算した指標である。
- 4
平均在院日数は調査時点で入院している者の在院日数の平均である。不正解
平均在院日数は一定期間に退院した患者の在院日数の平均であり、調査時点の入院患者の値ではない。
📚 混同しやすいので注意
保健統計は、指標の名前・定義・どの調査から出た値かを入れ替えて問われる。名前と定義と出典の3つを対にして覚えよう。
- 有病率はおおよそ罹患率×罹病期間で決まる。罹患率が高くても罹病期間が短い(すぐ治る・死亡する)疾患では有病率は高くならない。
- 患者調査は3年ごと、国民生活基礎調査は毎年(3年ごとに大規模)実施される。出典の取り違えに注意する。
| 指標 | 定義 | 出典 |
|---|---|---|
| 推計患者数 | 調査日に医療施設で受療した患者の推計数(助産所の利用者は含まない) | 患者調査 |
| 受療率 | 推計患者数を人口10万対で表したもの | 患者調査 |
| 退院患者平均在院日数 | 一定期間に退院した患者の在院日数の平均 | 患者調査 |
| 有訴者率・通院者率 | 自覚症状のある者・通院している者の人口千対の割合 | 国民生活基礎調査 |
| 罹患率 | 一定期間に新たに発生した患者数を観察人口で除したもの | がん登録・感染症発生動向調査など |
参考: 厚生労働省「患者調査」
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について