第112回 看護師国家試験 午後 問23 解説
📝 問題
静脈血採血の穿刺時の皮膚に対する針の適切な刺入角度はどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 静脈血採血の針の刺入角度は15〜20度が適切である。
静脈は皮膚のすぐ下を走行するため、静脈血採血では針を皮膚に対して浅い角度(およそ15〜20度)で刺入する。 角度が深すぎると静脈を貫通したり、神経・動脈を損傷したりする危険がある。
国試では各種穿刺・注射の刺入角度が対比で問われる。皮膚のすぐ下を通る静脈は浅く、深いところにある筋肉は深く刺す、と組織の深さと対応させると迷わない。 35〜40度では静脈を貫きやすく、55〜60度や75〜80度は筋肉内注射に近い深さで、いずれも静脈採血には適さない。
- 1
15〜20度正解
静脈は皮膚直下を走るため、15〜20度の浅い角度で刺入するのが適切である。
- 2
35〜40度不正解
35〜40度は静脈採血には深すぎ、静脈を貫通する危険がある。
- 3
55〜60度不正解
55〜60度は筋肉内注射に近い深い角度で、静脈採血には適さない。
- 4
75〜80度不正解
75〜80度はほぼ垂直に近く、静脈採血の刺入角度としては不適切である。
📚 国試でよく狙われるところ
採血は、刺入角度の数字と、安全に行うための手順の両方が問われる。角度は「その組織が体のどの深さにあるか」と対にして覚え、手順は神経・動脈を避けることと、血液を傷めず確実に止血することの2本立てで押さえよう。
- 採血部位は肘正中皮静脈が第一選択。内側は上腕動脈と正中神経(前腕から手のひらへ走る太い神経)が近くを通るため避ける。
- 駆血帯は2分を超えない(長いと血液性状が変化する)。穿刺後は5分程度圧迫止血し、抗凝固薬内服中はさらに延長する。
- 穿刺時に指先まで走る電撃のような痛み(放散痛)やしびれを訴えたら、ただちに抜針する(神経損傷の疑い)。
| 方法 | 角度 | 主な部位 |
|---|---|---|
| 皮内注射 | ほぼ水平(10〜15度未満) | 前腕屈側(ツベルクリン反応など) |
| 皮下注射 | 10〜30度 | 上腕伸側、腹部、大腿前外側 |
| 静脈血採血・静脈内注射 | 15〜20度 | 肘正中皮静脈、橈側皮静脈 |
| 筋肉内注射 | 45〜90度 | 三角筋、中殿筋 |
参考: 標準的な基礎看護技術(静脈血採血)
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について