第112回 看護師国家試験 午後 問19 解説
📝 問題
不活動状態が持続することで生じるのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 不活動状態が続くことで生じるのは廃用症候群である。
廃用症候群は、安静臥床など不活動状態が続くことで身体機能が低下して生じる二次的障害の総称である。 筋萎縮・関節拘縮・起立性低血圧・褥瘡・沈下性肺炎など、症状は全身に及ぶ。
国試では、原因(不活動・安静臥床)と、名前の似た症候群との区別が問われる。 緊張病症候群は精神疾患に伴う運動異常、慢性疲労症候群は原因不明の強い倦怠が持続する病態、シックハウス症候群は化学物質による室内環境要因の症候群であり、いずれも不活動が直接の原因ではない。
沈下性肺炎とは
仰向けの寝たきりが続き、痰が背中側の肺にたまって起こる肺炎。体位を変えて痰を移動させることが予防になる。
- 1
廃用症候群正解
廃用症候群は安静臥床など不活動の持続により生じる筋萎縮・拘縮などの二次的障害である。
- 2
緊張病症候群不正解
緊張病症候群は統合失調症などに伴う運動・行動の異常であり、不活動が直接の原因ではない。
- 3
慢性疲労症候群不正解
慢性疲労症候群は原因不明の強い疲労が持続する病態で、不活動によって生じるものではない。
- 4
シックハウス症候群不正解
シックハウス症候群は建材などの化学物質による室内環境要因の症候群で、不活動とは無関係である。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
廃用症候群は症状の一覧を丸暗記しようとすると必ず抜ける。「動かないとその臓器はどうなるか」とたどれば下の表は自分で作れる。予防はとにかく早く動かすこと、と押さえよう。
- 安静臥床では筋力が1日1〜3%、1週間で10〜15%低下するとされる。
- 予防の基本は早期離床。良肢位の保持・関節可動域訓練・体位変換・座位時間の確保を組み合わせる。良肢位とは、関節が動かせなくなっても生活に困りにくい角度(肘は約90度など)のこと。
| 系統 | 症状 |
|---|---|
| 運動器 | 筋萎縮・筋力低下、関節拘縮、骨萎縮(廃用性骨粗鬆症) |
| 循環器 | 起立性低血圧、心機能低下、深部静脈血栓症 |
| 呼吸器 | 沈下性肺炎、換気量の低下 |
| 皮膚 | 褥瘡 |
| 消化器・泌尿器 | 便秘、尿路結石、尿路感染症 |
| 精神・神経 | 意欲低下・抑うつ、見当識障害、認知機能低下 |
参考: 標準的なリハビリテーション看護・基礎看護学(廃用症候群)
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について