第112回 看護師国家試験 午前 問84 解説
📝 問題
老化による尿の生成と排尿機能の変化はどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 老化による尿の生成と排尿機能の変化としてみられるのは、残尿量の増加である。
加齢に伴い膀胱の排尿筋の収縮力が低下し、また男性では前立腺肥大などにより排出が妨げられるため、排尿後に膀胱内に残る尿(残尿量)が増加する。
他の選択肢は老化による変化と逆である。加齢では膀胱容量は減少し、蓄尿できる量が減るため排尿回数はむしろ増加する(頻尿)。夜間の尿量は増加(夜間頻尿)しやすい。腎の濃縮力低下により尿を濃縮しにくくなるため尿比重はむしろ低下傾向となる。
尿比重とは
尿の濃さを表す値で、水を1.000として比べる。濃い尿ほど高く、薄い尿ほど低くなる(正常はおよそ1.005〜1.030)。
- 1
排尿回数の減少不正解
膀胱容量の減少により排尿回数はむしろ増加(頻尿)する。
- 2
膀胱容量の増加不正解
加齢では膀胱容量は増加ではなく減少する。
- 3
夜間尿量の減少不正解
加齢では夜間尿量はむしろ増加し、夜間頻尿を来しやすい。
- 4
残尿量の増加正解
排尿筋の収縮力低下や排出障害により、排尿後の残尿量が増加する。
- 5
尿比重の上昇不正解
腎の濃縮力低下により尿を濃縮しにくくなり、尿比重はむしろ低下傾向となる。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
加齢に伴う排尿機能の変化は「ためられない・出しきれない・夜に出る・薄い尿」と整理すると判別しやすい。 そこから起こる問題と、その対応もあわせて押さえる。
- 尿失禁の型=腹圧性・切迫性・溢流性・機能性の4つ。残尿の増加は、たまった尿があふれて少しずつ漏れる溢流性尿失禁を招き、脳血管障害や過活動膀胱は切迫性尿失禁の原因になる
- 残尿が多いと尿路感染症や膀胱結石のリスクが高まるため、排尿記録と残尿測定(携帯型超音波)で評価する
- 夜間頻尿への対応=夕方以降の水分・カフェイン・アルコールを控える、日中の下肢挙上、転倒しにくい夜間の動線づくり
| 項目 | 変化 |
|---|---|
| 糸球体濾過量〈GFR〉 | 低下する |
| 尿の濃縮力 | 低下し、尿比重は下がる |
| 膀胱容量 | 減少し、排尿回数が増える |
| 排尿筋の収縮力 | 低下し、残尿が増える |
| 夜間尿量 | 増加し、夜間頻尿を来しやすい |
| 前立腺(男性) | 肥大により排出障害を来しやすい |
参考: 老年看護学(加齢に伴う排尿機能の変化)
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について