第112回 看護師国家試験 午前 問28 解説
📝 問題
薬物の分解、排泄の速さの指標となるのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 薬物の分解・排泄の速さを表す指標は生物学的半減期である。
生物学的半減期(半減期)は、血中の薬物濃度が半分に低下するまでに要する時間で、その薬物が体内で分解・排泄される速さを表す指標である。半減期が長いほど体内に薬物が残りやすく、投与間隔や蓄積の評価に用いられる。
国試では薬物動態のパラメータの意味が問われる。 最高血中濃度(Cmax)は到達する濃度の高さ、最高血中濃度到達時間(Tmax)は吸収の速さ、濃度曲線下面積(AUC)は体内に取り込まれた総曝露量を表す。 「消失(排泄)の速さ=半減期」と対応づけ、他のパラメータとの役割の違いを整理しておくとよい。
- 1
最高血中濃度不正解
最高血中濃度(Cmax)は到達する濃度の高さを示す指標で、消失の速さではない。
- 2
生物学的半減期正解
生物学的半減期は血中濃度が半分になる時間で、分解・排泄の速さを表す。
- 3
濃度曲線下面積不正解
濃度曲線下面積(AUC)は体内への総曝露量を表し、消失速度そのものの指標ではない。
- 4
最高血中濃度到達時間不正解
最高血中濃度到達時間(Tmax)は吸収の速さを示す指標である。
📚 ここも一緒におさえておこう
薬物動態は、半減期を軸に、投与間隔や血中濃度の管理とあわせて問われる。
- 反復投与では半減期の4〜5倍の時間で血中濃度がほぼ定常状態に達する。中止後も同程度の時間でほぼ消失する
- 早く効果を得たいときは、最初だけ多めの量を投与して血中濃度を一気に上げる負荷投与(ローディングドーズ)を行う
- 効果が出て副作用は出ない血中濃度の幅(治療域)が狭く、薬物血中濃度モニタリング〈TDM〉で濃度を測りながら量を調整する薬:ジゴキシン、テオフィリン、フェニトイン、バンコマイシン、リチウム、アミノグリコシド
- 生物学的利用率(バイオアベイラビリティ)は、静脈内投与を100%としたときに全身循環へ到達する割合
- 高齢者では肝血流・腎機能の低下により半減期が延び、蓄積による副作用が起こりやすい
参考: 標準的な薬理学(薬物動態パラメータ)
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について