第111回 看護師国家試験 午後 問62 解説
📝 問題
性周期とホルモンについて正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 排卵直前に黄体形成ホルモン(LH)値が急上昇(LHサージ)する
排卵は、卵胞の成熟により上昇したエストロゲンが正のフィードバックを引き起こし、下垂体前葉から黄体形成ホルモン(LH〈エルエイチ〉)が急激に分泌される「LHサージ」によって誘発される。LHサージのおよそ24〜36時間後に排卵が起こる。
他の選択肢は、ホルモンと時期・働きの組合せがずれている。 性周期は、月経後の卵胞期(増殖期)と排卵後の黄体期(分泌期)に分けられる。卵胞期はエストロゲン優位で子宮内膜が増殖し、基礎体温は低温相を示す。排卵後は黄体からプロゲステロンが分泌され、内膜は分泌期に入り、基礎体温は高温相となる。
覚え方: 「エストロゲンは増殖(内膜を厚く)・低温、プロゲステロンは分泌・高温」。LHサージ=排卵の引き金、と直結させる。国試ではホルモンと基礎体温・内膜変化の対応が頻出であり、増殖期=低温相・排卵後=高温相という基礎体温の二相性を確実に押さえたい。
正のフィードバックとは
ホルモンが増えると、その分泌をさらに強める向きに働くしくみ。ふだんは増えると抑える負のフィードバックが働いている。
基礎体温とは
朝目が覚めて体を動かす前に、寝たまま口の中で測る体温。毎日同じ条件で測って、わずかな変化をみる。
- 1
増殖期は基礎体温が上昇する。不正解
増殖期(卵胞期)は低温相である。基礎体温が上昇するのは排卵後のプロゲステロン作用による黄体期。
- 2
プロラクチンによって排卵が起こる。不正解
排卵を起こすのはLHサージ。プロラクチンは乳汁分泌を促すホルモンで排卵とは直接関係しない。
- 3
プロゲステロンは子宮内膜の増殖を促進する。不正解
子宮内膜の増殖を促進するのはエストロゲン。プロゲステロンは内膜を分泌期へと成熟させる。
- 4
排卵直前に黄体形成ホルモン〈LH〉値が高くなる。正解
エストロゲンの正のフィードバックによりLHサージが起こり、約24〜36時間後に排卵する。
📚 これとセットで理解しよう
性周期は、ホルモン・子宮内膜・基礎体温のうち一つだけをずらした選択肢が並ぶ。時期ごとに三つをまとめて思い出せるようにしよう。 基礎体温の二相性は、プロゲステロンの体温上昇作用によって生じる。高温相がみられない(一相性)場合は無排卵が疑われる。
- 高温相は黄体の寿命に一致して約14日間続く。妊娠が成立すると高温相が持続する。
- エストロゲンは卵胞から、プロゲステロンは黄体から分泌される。
- 排卵の引き金はエストロゲンの正のフィードバックによるLHサージである(普段のエストロゲンは負のフィードバックをかける)。
| 時期 | 主なホルモン | 子宮内膜 | 基礎体温 |
|---|---|---|---|
| ①卵胞期(増殖期) | エストロゲン | 増殖して肥厚する | 低温相 |
| ②排卵期 | LHサージ | — | 低温相から高温相へ移行 |
| ③黄体期(分泌期) | プロゲステロン | 分泌期に成熟する | 高温相 |
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について