第111回 看護師国家試験 午後 問59 解説
📝 問題
学童期の肥満で正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 学童期の肥満は成人期の生活習慣病のリスク因子である。
学童期の肥満は思春期・成人期の肥満に移行しやすく、将来の2型糖尿病・脂質異常症・高血圧など生活習慣病の重要なリスク因子となる。
他の選択肢は評価法や食事指導の考え方が誤っている。 Kaup(カウプ)指数は乳幼児(生後3か月〜5歳ごろ)の発育評価に用いる指標で、学童期の肥満評価には肥満度(標準体重に対する実測体重の割合)やローレル指数を用いる。 小児肥満の多くは食べ過ぎ・運動不足による単純性(原発性)肥満であり、内分泌疾患などに起因する症候性肥満は少数である。 学童期の肥満では成長期であることから極端な食事制限(特に蛋白質制限)は行わず、バランスのとれた食事と運動習慣で体重コントロールを図る。
覚え方は「小児肥満は単純性が大半で、将来の生活習慣病のもと」。 評価は乳幼児=カウプ、学童=ローレル・肥満度で、成長期なので極端な制限はしない。
カウプ指数とは
乳幼児(生後3か月〜5歳ごろ)の体格をみる指数。学童期には使わない。
ローレル指数とは
学童期の体格をみる指数。値が大きいほど太っていることを示す。
- 1
Kaup〈カウプ〉指数で評価する。不正解
カウプ指数は乳幼児の発育評価に用いる。学童期は肥満度やローレル指数で評価する。
- 2
症候性の肥満がほとんどを占める。不正解
小児肥満の多くは単純性(原発性)肥満で、症候性はごく一部である。
- 3
食事では蛋白質の摂取制限を行う。不正解
成長期のため蛋白質制限は行わず、バランスのよい食事と運動で管理する。
- 4
成人期の生活習慣病のリスク因子である。正解
学童期の肥満は成人期に移行しやすく、生活習慣病のリスク因子となる。
📚 国試でよく狙われるところ
小児肥満は、大人と同じ減量をさせない点が突かれる。成長期であることを前提に、指導の原則を覚えよう。 小児肥満の指導は極端な食事制限をしないのが原則。成長に必要な栄養を確保しながら、間食・清涼飲料の見直しと運動習慣で体重増加を緩やかにし、身長の伸びで肥満度を下げる。
- 小児肥満に合併しやすいのは2型糖尿病・脂質異常症・高血圧・脂肪肝・睡眠時無呼吸。
- 家族ぐるみの生活習慣改善が効果的。いじめ・自尊感情の低下への心理的配慮も欠かせない。
- 症候性(二次性)肥満はクッシング症候群・甲状腺機能低下症・視床下部性などが原因で、低身長を伴うことが手がかりになる。
| 指標 | 対象 | 計算式 | 判定の目安 |
|---|---|---|---|
| カウプ指数 | 乳幼児(生後3か月〜5歳) | 体重(g)÷身長(cm)²×10 | おおむね15〜19が標準(年齢で異なる) |
| ローレル指数 | 学童期 | 体重(kg)÷身長(cm)³×10⁷ | 115〜145が標準、160以上で肥満 |
| 肥満度 | 幼児・学童 | (実測体重−標準体重)÷標準体重×100(%) | 学童は20%以上で肥満、幼児は15%以上で太りぎみ |
| BMI | 成人 | 体重(kg)÷身長(m)² | 18.5未満はやせ、25以上で肥満 |
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について