第111回 看護師国家試験 午後 問40 解説
📝 問題
四肢の動脈性外出血に対する止血法で適切なのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 動脈性外出血では出血部位を心臓より高く保つ。
四肢の動脈性外出血では、まず直接圧迫止血を行う。 あわせて出血部位を心臓より高く挙上すると、血液を押し出す力(静水圧)が下がり、出血が減る。
他の選択肢は、止血帯の幅・使用時間・圧迫する強さが誤っている。止血帯は幅が狭いと組織や神経を傷めるため、幅3cm以上の広いものを用いる。 巻いたままにすると先の血流が途絶えて壊死するため、装着時刻を記録し、一定時間ごとに緩めて血流を確かめる。4時間の連続使用は不適切である。 圧迫は動脈の血流を止めるためのものなので、動脈圧より高い圧で押さえる。動脈圧より低い圧では止血できない。
止血帯とは
手足の付け根側を締めて血流を止める帯。直接押さえても止まらない大出血に限って使う。
静水圧とは
液体そのものの重さでかかる圧力。水が深いところほど圧が高いのと同じで、体でも心臓より低い位置ほど高くなる。
- 1
出血部位を心臓より高く保つ。正解
患部を心臓より高く挙上すると静水圧が下がり出血が軽減する。直接圧迫と併用する。
- 2
止血帯は幅1cm未満を用いる。不正解
幅の狭い止血帯は組織・神経を損傷する。幅3cm以上の広いものを用いる。
- 3
止血帯は連続して4時間使用する。不正解
止血帯の長時間連続使用は阻血・壊死を招く。時刻を記録し定期的に緩める。
- 4
出血部位を動脈圧より低い圧で圧迫する。不正解
動脈圧より低い圧では止血できない。動脈血流を止めるにはより高い圧で圧迫する。
📚 混同しやすいので注意
出血時の基本は直接圧迫止血で、清潔なガーゼで出血部を直接強く押さえ、可能なら患肢を挙上する。 間接圧迫止血は出血部位より心臓に近い動脈(上腕動脈・大腿動脈など)を押さえる方法で、直接圧迫の準備が整うまでのつなぎとして行う。
- 循環血液量は体重の約8%(およそ1/13)。その20%(成人で約1,000mL)を超える出血で出血性ショックを来しやすい。
- ショックの初期症状=頻脈・皮膚蒼白・冷汗・脈圧の縮小・尿量減少。血圧低下は遅れて現れる。
- 止血帯(ターニケット)は直接圧迫で止まらない四肢の致命的出血に用いる。幅3cm以上のものを選び、装着時刻を必ず記録する。
- 救助者は標準予防策として手袋を着用し、血液への直接接触を避ける。
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について