第111回 看護師国家試験 午前 問54 解説
📝 問題
30 歳を 100 % とした生理機能と比較して、老年期において機能の残存率の平均値が最も低下するのは次のうちどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 老年期に残存率が最も低下するのは最大換気量である。
30歳を100%としたとき、老年期に残存率が最も下がるのは最大換気量である。加齢で胸郭の弾性が落ち、呼吸筋の力も肺が縮む力も弱くなるため、思い切り息を出し入れできる量が大きく減る。
同じ加齢でも、機能によって減り方は違う。基礎代謝率や細胞内水分量も下がるが、最大換気量ほどではない。一方で、神経伝導速度のように加齢でほとんど落ちない機能もある。
最大換気量とは
1分間、できるだけ速く深く呼吸したときに出し入れできる空気の量。呼吸にどれだけ余力があるかを表す。
- 1
基礎代謝率不正解
基礎代謝率も低下するが、最大換気量ほど大きくは低下しない。
- 2
最大換気量正解
最大換気量は加齢による呼吸機能低下で残存率が最も大きく低下する。
- 3
細胞内水分量不正解
細胞内水分量は低下するが、最大換気量ほどの著しい低下ではない。
- 4
神経伝導速度不正解
神経伝導速度は加齢の影響を受けにくく、比較的よく保たれる。
📚 混同しやすいので注意
加齢による機能低下は、どれが大きく下がるかを入れ替えて問われる。最大換気量と腎血漿流量は大きく下がり、神経伝導速度はよく保たれる、と両端で覚えよう。
- 呼吸:残気量が増加し、肺活量・最大換気量は低下する。1秒率も低下する。
- 循環:血管の弾性低下により収縮期血圧が上昇し脈圧が拡大する。
- 腎:糸球体濾過量(GFR)が低下し、薬物の排泄が遅れる。
- 感覚:高音域から難聴が進み、水晶体の弾性低下で老視となる。
- 体組成:細胞内水分量・除脂肪量が減少し、脱水を起こしやすい。
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について