第111回 看護師国家試験 午前 問52 解説
📝 問題
老年期の発達課題を引退の危機、身体的健康の危機および死の危機の3つの段階で示したのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 老年期の発達課題を3つの危機で示したのはペックである。
ペックは、エリクソンの発達理論を発展させ、老年期に向き合う課題を3つの危機として示した。 ・引退の危機(自我の分化)=仕事の役割にとらわれず、新しい役割に自分の価値を見いだす ・身体的健康の危機(身体の超越)=身体の衰えにとらわれず、人との関わりに目を向ける ・死の危機(自我の超越)=自分一代を超えて、次の世代に残るものに目を向ける
エリクソンは老年期の課題を『統合 対 絶望』とした。レビンソンは成人期の発達を『人生の四季』として季節になぞらえ、ユングは中年期を人生の正午とよんで個性化の過程を論じた。
統合 対 絶望とは
エリクソンが老年期の課題とした対。自分の人生をこれでよかったと受け入れられれば統合、やり直せないと悔やめば絶望に傾く。
- 1
エリクソン不正解
エリクソンは老年期の課題を『統合 対 絶望』とし、3段階の危機で示したのではない。
- 2
レビンソン不正解
レビンソンは成人期の発達を『人生の四季』として過渡期で論じた。
- 3
ペック正解
ペックは老年期を引退・身体的健康・死の3つの危機として示した。
- 4
ユング不正解
ユングは中年期の個性化を論じた人物で、老年期の3危機を示したのではない。
📚 混同しやすいので注意
発達理論は人物と用語の組合せが入れ替えて問われる。人物名と代表的な語を1対1で結んで覚えよう。
- エリクソン:ライフサイクルを8段階に分け、各期に心理社会的危機を置いた。
- ハヴィガースト:各発達段階で達成すべき発達課題を具体的に列挙した。
- ピアジェ:認知の発達を感覚運動期・前操作期・具体的操作期・形式的操作期の4段階で示した。
- ボウルビィ:愛着(アタッチメント)理論と、母子分離時の反応(抗議・絶望・脱愛着)を示した。
| 時期 | 心理社会的危機 |
|---|---|
| 乳児期 | 基本的信頼 対 不信 |
| 幼児前期 | 自律性 対 恥・疑惑 |
| 学童期 | 勤勉性 対 劣等感 |
| 青年期 | 同一性(アイデンティティ)確立 対 同一性拡散 |
| 成人期(中年期) | 生殖性(世代性) 対 停滞 |
| 老年期 | 統合 対 絶望 |
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について