第111回 看護師国家試験 午前 問48 解説
📝 問題
A さん(32 歳、男性)は慢性副鼻腔炎と診断され経過観察をしていたが、症状が改善せず手術を受けることになった。A さんへの術後の生活についての説明で適切なのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 副鼻腔手術後に複視が出たら合併症の可能性があり看護師に伝える。
内視鏡下の副鼻腔手術では、副鼻腔と眼窩が薄い骨1枚で隣り合っているため、まれに眼窩の中(眼を動かす筋・視神経)に影響が及ぶ。物が二重に見える(複視)は眼窩内合併症を知らせる大切な徴候で、出たらすぐ看護師や医師に伝えるよう説明する。
咽頭に垂れてくる分泌物は、飲み込まずに吐き出すよう指導する(出血量が分かり、吐き気や胃の不快も防げる)。入浴は出血を助長するため当日は避ける。臥床するときは出血とむくみを抑えるため頭部をやや高く保つ。
眼窩とは
眼球が入っている骨のくぼみ。内側や上の壁は紙のように薄く、副鼻腔と隣り合っている。
- 1
咽頭にたまった分泌物は飲み込んでも良い。不正解
咽頭に垂れる分泌物は飲み込まず吐き出すよう指導し、出血量の把握と嘔気予防を図る。
- 2
物が二重に見えるときは看護師に伝える。正解
複視は眼窩内合併症を示唆する徴候で、出現時はただちに報告するよう説明する。
- 3
手術当日から入浴が可能である。不正解
手術当日の入浴は出血を助長するため通常は避ける。
- 4
臥床時は頭部を低く保つ。不正解
臥床時は出血・浮腫軽減のため頭部をやや高く保ち、低くするのは不適切。
📚 国試でよく狙われるところ
術後の説明は、すぐ報告すべき症状とそうでない症状を入れ替えて問われる。副鼻腔の隣は眼窩と頭蓋底なので、眼と頭の症状が出たら報告と覚えよう。
- 直ちに報告すべき徴候:複視・視力低下・眼球突出(眼窩内出血)、水様透明な鼻漏(髄液漏)、大量の出血。
- 術後は鼻をかまない・強くいきまないよう指導し、くしゃみは口を開けて逃がす。
- 鼻出血時は坐位で軽く前傾し、キーゼルバッハ部位を小鼻の上から圧迫する(仰臥位で後屈は誤嚥の原因)。
- 慢性副鼻腔炎の主症状は鼻閉・膿性鼻汁・後鼻漏・嗅覚障害。
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について