第110回 看護師国家試験 午後 問63 解説
📝 問題
精神障害者保健福祉手帳で正しいのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 精神障害者保健福祉手帳を取得すると住民税などの控除・減免の対象となる。
精神障害者保健福祉手帳は、一定の精神障害の状態にあることを認定するもので、取得により税制上の優遇(所得税・住民税の障害者控除など)や公共料金の割引、各種福祉サービスの利用といった支援を受けられる。等級は1〜3級に区分される。
交付対象は統合失調症、気分障害、てんかん、発達障害などの精神疾患を持つ人であり、知的障害のみの場合は療育手帳の対象となるため精神障害者保健福祉手帳の対象ではない。 手帳の交付は生活保護費の支給とは別制度である。 また障害が「永続する」ことは要件ではなく、有効期間は2年で更新の際に再認定される。
療育手帳とは
知的障害のある人に交付される手帳。法律ではなく国の通知に基づく制度なので、「愛の手帳」など自治体によって呼び名が違う。
障害者控除とは
障害のある本人や、障害のある家族を扶養している人が、所得税・住民税の計算で所得から一定額を差し引ける仕組み。
- 1
知的障害も交付対象である。不正解
知的障害のみは療育手帳の対象で、精神障害者保健福祉手帳の交付対象ではない。
- 2
取得すると住民税の控除対象となる。正解
手帳取得により所得税・住民税の障害者控除など税制上の優遇を受けられる。
- 3
交付によって生活保護費の支給が開始される。不正解
手帳交付と生活保護費の支給は別制度であり、交付により生活保護が開始されるわけではない。
- 4
疾病によって障害が永続する人が対象である。不正解
有効期間は2年で更新のたびに再認定され、障害が永続することは交付要件ではない。
📚 混同しやすいので注意
障害者手帳は3種類で、名前・根拠法・等級がそれぞれ違う。どれか一つでも取り違えると誤答になるので、表の3行を組で確認したい。
- 精神障害者保健福祉手帳の対象=統合失調症・気分障害・てんかん・発達障害など(知的障害のみは療育手帳)
- 申請の窓口は市町村で、交付は都道府県知事(政令指定都市市長)が行う
| 手帳 | 根拠・対象・等級 |
|---|---|
| 身体障害者手帳 | 身体障害者福祉法。等級は1〜6級(7級の障害は単独では交付されない) |
| 療育手帳 | 知的障害が対象。国の通知に基づき都道府県知事等が交付 |
| 精神障害者保健福祉手帳 | 精神保健福祉法。1〜3級、有効期間2年で更新(再認定) |
参考: 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について