第110回 看護師国家試験 午後 問35 解説

一般看護の統合と実践✔ 監修済み

📝 問題

ヒューマンエラーを起こす人間の特性で認知的特性はどれか。

✅ 正解

3

💡 解説

✅ 同じ作業の連続による注意力低下が認知的特性。

ヒューマンエラーの背景となる人間の特性のうち、認知的特性とは知覚・注意・記憶・判断など脳の情報処理に関わる特性を指す。同じ作業を連続して行うと注意が持続しにくくなり注意力が低下するのは、認知(注意)の特性による。

同僚への依存は社会的・対人的要因、睡眠不足による疲労は生理的(身体的)要因、パワーハラスメントによる心理的圧迫は心理・情動的要因であり、いずれも認知的特性そのものとは区別される。

ヒューマンエラーとは

人が意図したとおりにできず、結果として望ましくない事態を招く行為。誰にでも起こるものとして、個人を責めずに仕組みで防ぐのが医療安全の考え方。

  • 1

    同僚への依存不正解

    同僚への依存は対人的・社会的要因で認知的特性ではない。

  • 2

    睡眠不足による疲労不正解

    睡眠不足による疲労は生理的(身体的)要因。

  • 3

    同じ作業の連続による注意力低下正解

    同一作業の連続による注意力低下は注意という認知的特性による。

  • 4

    パワーハラスメントによる心理的圧迫不正解

    ハラスメントによる心理的圧迫は心理・情動的要因。

📚 混同しやすいので注意

医療安全の用語は、名前と中身を入れ替えて問われる。名前と具体例を対にして覚えよう。 ヒューマンエラーは個人の注意だけでは防げないため、人は誤るものという前提に立ち、仕組み(システム)で防ぐのが医療安全の基本である。

  • フェイルセーフ=誤りや故障が起きても危険な結果に至らない仕組み(輸液ポンプが気泡を感知すると自動で止まるなど)。
  • フールプルーフ=そもそも誤った操作ができない仕組み(経腸栄養と静脈ラインの誤接続防止コネクタなど)。
  • インシデント(ヒヤリ・ハット)は患者に影響が及ばなかった事例、アクシデントは実際に影響が生じた事例。報告は個人の責任追及ではなく再発防止のために行う。
  • スイスチーズモデル=複数の防護壁の穴が重なったときに事故が起こる、という考え方。

出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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