第110回 看護師国家試験 午前 問75 解説
📝 問題
抗原によって感作されたTリンパ球による細胞性免疫が主体となるのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 感作T細胞による細胞性免疫が主体となるのはツベルクリン反応である
ツベルクリン反応は、結核菌抗原(PPD)を皮内注射し、48時間ほどで最大となる遅延型(Ⅳ型)アレルギー反応であり、抗原に感作されたTリンパ球(T細胞)が主体となる細胞性免疫の代表例である。
他の選択肢は液性免疫(抗体)が関与する即時型反応である。花粉症・蕁麻疹・アナフィラキシーショックはいずれもIgE抗体が関与するⅠ型(即時型)アレルギーである。インフルエンザの予防接種は抗体(液性免疫)の産生を誘導して感染を予防するものである。
国試ではアレルギーの分類(Ⅰ〜Ⅳ型)と代表疾患、細胞性免疫と液性免疫の区別が頻出である。「Ⅳ型(遅延型・T細胞・細胞性免疫)=ツベルクリン反応・接触皮膚炎・移植拒絶」「Ⅰ型(即時型・IgE)=花粉症・蕁麻疹・アナフィラキシー」と対応させて覚えておくとよい。
PPD〈ピーピーディー〉とは
結核菌から取り出したタンパクの精製物。ツベルクリン反応の検査液として皮内に注射する。
細胞性免疫とは
抗体ではなくT細胞そのものが働く免疫。ウイルスに感染した細胞や移植された臓器を直接攻撃する。
- 1
花粉症不正解
花粉症はIgEが関与するⅠ型(即時型)アレルギーで、液性免疫が主体である。
- 2
蕁麻疹不正解
蕁麻疹もIgEが関与するⅠ型アレルギーであり、細胞性免疫が主体ではない。
- 3
ツベルクリン反応正解
ツベルクリン反応は感作T細胞による遅延型(Ⅳ型)反応で、細胞性免疫が主体である。
- 4
アナフィラキシーショック不正解
アナフィラキシーショックはIgEによるⅠ型反応であり、細胞性免疫ではない。
- 5
インフルエンザの予防接種不正解
予防接種は抗体産生(液性免疫)を誘導するもので、細胞性免疫が主体とはいえない。
📚 混同しやすいので注意
アレルギーは型と代表疾患を入れ替えて問われる。型ごとに代表疾患を1つずつ言えるようにしておこう。 Ⅰ〜Ⅲ型は液性免疫(抗体)、Ⅳ型のみ細胞性免疫(T細胞)が主体である。 Ⅳ型は反応が最大になるまで24〜48時間かかるため遅延型とよばれる。
| 型 | 機序 | 代表例 |
|---|---|---|
| Ⅰ型(即時型・アナフィラキシー型) | IgEと肥満細胞 | アナフィラキシー、花粉症、気管支喘息、蕁麻疹、食物アレルギー |
| Ⅱ型(細胞傷害型) | IgG・IgMと補体 | 不適合輸血、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、重症筋無力症 |
| Ⅲ型(免疫複合体型) | 免疫複合体の組織沈着 | 全身性エリテマトーデス、急性糸球体腎炎、血清病、過敏性肺炎 |
| Ⅳ型(遅延型) | 感作Tリンパ球 | ツベルクリン反応、接触皮膚炎、移植拒絶反応 |
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について