第110回 看護師国家試験 午前 問66 解説
📝 問題
A さん(83歳、女性)は、1人暮らし。誤嚥性肺炎で入退院を繰り返していた。今回の退院後に、訪問看護が導入されることになり、退院前カンファレンスが行われた。誤嚥性肺炎の再発を予防するために病棟看護師が訪問看護師に情報提供する内容で優先されるのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 誤嚥性肺炎の再発予防には嚥下機能検査の判定結果が優先される
誤嚥性肺炎の再発予防で最も重要なのは、その人の嚥下機能の状態を正確に把握し、それに応じた食事形態・姿勢・介助方法・口腔ケアを在宅で続けることである。 嚥下機能検査(嚥下造影検査〈VF〉や嚥下内視鏡検査〈VE〉など)の判定結果は、安全に口から食べるための条件を示す最も直接的な情報であり、訪問看護師に優先して伝えるべきである。
他の選択肢も有用な情報だが優先度は下がる。栄養状態の検査データや日常生活動作〈ADL〉は全身状態や生活の把握に役立つが、誤嚥そのものの予防に直結する情報ではない。治療に用いられた薬剤は今回の治療経過の情報であり、再発予防のケア方針を決める最優先の情報ではない。
「再発予防の起点は嚥下機能の評価結果」と押さえておくとよい。
嚥下造影検査とは
造影剤を混ぜた食物を飲み込む様子をエックス線の動画で見る検査。どの形態・どの姿勢なら安全かを直接確かめられる。
- 1
嚥下機能検査の判定結果正解
嚥下機能検査の判定結果は安全な経口摂取の条件を示し、再発予防のケア方針に直結する最優先情報である。
- 2
栄養状態を示す検査データ不正解
栄養状態のデータは全身状態の把握に有用だが、誤嚥予防に直結する情報ではない。
- 3
入院中の日常生活動作〈ADL〉不正解
入院中の日常生活動作〈ADL〉は生活支援の参考になるが、誤嚥性肺炎の再発予防で最優先とはいえない。
- 4
誤嚥性肺炎の治療に用いられた薬剤不正解
治療に用いた薬剤は経過の情報であり、再発予防のケア方針決定の最優先事項ではない。
📚 国試でよく狙われるところ
誤嚥性肺炎の予防は、姿勢・食事形態・口腔ケアのどれを問われても答えられるようにしておこう。 不顕性誤嚥(むせのない誤嚥)でも起こるため、夜間の唾液誤嚥を防ぐ口腔ケアが予防の要となる。
- 食事姿勢=頸部前屈位(顎を引く)、坐位は体幹を起こし、食後30分〜1時間は上体を挙上したままにする
- 食事形態=とろみをつけ、パサつく物・水分単独・酸味の強い物を避ける
- 口腔ケア=毎食後と就寝前。義歯も外して洗浄する
- 嚥下評価=反復唾液嚥下テスト〈RSST〉、改訂水飲みテスト〈MWST〉、嚥下造影〈VF〉・嚥下内視鏡〈VE〉
- 発熱・食欲低下・湿性嗄声・食後のむせや疲労は再発のサイン。早期に医師へ報告する
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について