第110回 看護師国家試験 午前 問64 解説
📝 問題
筋力低下のある在宅療養者の家屋環境において転倒するリスクが最も高いのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 筋力低下のある在宅療養者では深い浴槽の転倒リスクが最も高い
筋力低下のある在宅療養者にとって、深い浴槽はまたぎ越すときに脚を高く上げる必要があり、濡れて滑りやすい環境も重なって、またぎ動作でバランスを崩して転倒・転落する危険が最も高い。
他の選択肢はいずれも転倒予防に役立つ条件である。段差がない床(バリアフリー)はつまずきを防ぎ、整理整頓された部屋は障害物によるつまずきを減らし、足元灯を設置した廊下は夜間の見えにくさを補って転倒を防ぐ。
「段差・浴槽の出入り・濡れた床・暗い場所・障害物」が危険因子であり、住環境の整備(手すり・滑り止め・照明・段差解消)が対策の基本と押さえておくとよい。
またぎ動作とは
浴槽の縁のように高さのある物を越える動き。越えている間は片足立ちになるため、支えがないとバランスを失いやすい。
- 1
深い浴槽正解
深い浴槽はまたぎ動作で脚を高く上げる必要があり、濡れて滑る環境も加わり転倒リスクが最も高い。
- 2
段差がない床不正解
段差がない床はつまずきを防ぎ、転倒リスクを下げる要素である。
- 3
整理整頓された部屋不正解
整理整頓された部屋は障害物が少なく、つまずきによる転倒を防ぐ。
- 4
足元灯を設置した廊下不正解
足元灯を設置した廊下は夜間の視認性を高め、転倒予防に有効である。
📚 国試でよく狙われるところ
転倒は、本人側の内的要因と環境側の外的要因が重なって起こる。要因・住環境の対策・折れやすい部位の3つをまとめて覚えよう。
- 内的要因=筋力低下・バランス障害、視力低下、めまい、起立性低血圧、多剤併用(睡眠薬・降圧薬・利尿薬など)
- 外的要因=段差・敷居、濡れた床、暗い照明、電気コード、滑りやすい履物、合わない杖
- 浴室の対策=手すりの設置、浴槽内と洗い場の滑り止めマット、シャワーチェア、浴槽用の踏み台
- 夜間の対策=足元灯、ポータブルトイレの設置、寝室からトイレまでの動線の確保
- 骨折の好発部位=大腿骨頸部、橈骨遠位端、上腕骨近位部、脊椎圧迫骨折
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について