第110回 看護師国家試験 午前 問34 解説
📝 問題
尿失禁の種類と対応の組合せで正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 反射性尿失禁には間欠的自己導尿が適切。
尿失禁は原因により分類され、それぞれ対応が異なる。反射性尿失禁は脊髄損傷などで膀胱と大脳の連絡が絶たれ、尿意を伴わず反射的に排尿が起こるもので、残尿や膀胱内圧上昇を防ぐため間欠的自己導尿(CIC)が有効な対応となる。
他の選択肢は組合せが合っていない。溢流性尿失禁は前立腺肥大などによる尿排出障害で膀胱に尿が過剰に溜まり少しずつ漏れるもので、原因の解除や導尿を要し、排尿間隔の記録が主な対応ではない。 機能性尿失禁は排尿機能自体は正常だが認知・運動障害でトイレに間に合わないもので、環境調整や誘導が中心で骨盤底筋訓練は適さない。 切迫性尿失禁は強い尿意とともに漏れるもので、骨盤底筋訓練や膀胱訓練が有効であり、下腹部への刺激は誘因となるため不適切である。
間欠的自己導尿とは
決まった時間ごとに自分でカテーテルを入れて尿を出し、そのつど抜く方法。入れっぱなしにするより尿路感染が起こりにくい。
骨盤底筋訓練とは
尿道や肛門を締める筋を意識して締める・ゆるめるを繰り返す運動。腹圧性や切迫性の尿失禁で行う。
- 1
溢流性尿失禁 ── 排尿間隔の記録不正解
溢流性尿失禁は尿排出障害が本態で、導尿など原因への対応を要する。
- 2
機能性尿失禁 ── 骨盤底筋訓練不正解
骨盤底筋訓練は腹圧性・切迫性に有効で、機能性尿失禁の対応ではない。
- 3
切迫性尿失禁 ── 下腹部への軽い刺激不正解
切迫性尿失禁では下腹部刺激はかえって尿意を誘発するため不適切である。
- 4
反射性尿失禁 ── 間欠的自己導尿正解
反射性尿失禁は残尿を生じやすく、間欠的自己導尿が適切な対応である。
📚 混同しやすいので注意
尿失禁は種類と対応の組合せで出される。まず残尿と尿意の有無で型を絞る。 尿意がないまま漏れれば反射性を疑う。
| 種類 | 機序 | 主な対応 |
|---|---|---|
| 腹圧性尿失禁 | 骨盤底筋の緩み。咳・くしゃみ・重い物を持つと漏れる | 骨盤底筋訓練、体重管理 |
| 切迫性尿失禁 | 過活動膀胱など。強い尿意とともに漏れる | 膀胱訓練、骨盤底筋訓練、抗コリン薬 |
| 溢流性尿失禁 | 前立腺肥大などの尿排出障害。多量の残尿から少しずつ漏れる | 原因の治療、導尿 |
| 機能性尿失禁 | 排尿機能は正常。認知症・運動障害でトイレに間に合わない | 環境調整、排尿誘導、着脱しやすい衣服 |
| 反射性尿失禁 | 脊髄損傷などで尿意がなく反射的に排尿が起こる | 間欠的自己導尿(CIC) |
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について