第110回 看護師国家試験 午前 問28 解説
📝 問題
成人の敗血症について正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 成人の敗血症では全身炎症性反応を認める。
敗血症は感染に対する生体反応が調節不全となり、全身性の炎症反応と臓器障害を生じる病態である。 「全身炎症性反応を認める」が正しい。 発熱、頻脈、頻呼吸、白血球数の変化などがみられる。
他の選択肢は誤りである。敗血症では頻脈(徐脈ではない)となり、敗血症性ショックでは血管拡張と血管透過性の亢進(低下ではない)により血圧が低下(高血圧ではない)する。 血管透過性亢進により血管外へ体液が漏出し、循環血液量が減少する点が重要である。 発熱・頻脈・頻呼吸・白血球数の変化という冒頭の4徴は、かつて敗血症の判定に使われた全身性炎症反応症候群(SIRS)の項目にあたる(現在は感染+臓器障害で定義する)。
血管透過性とは
血管の壁が水分やタンパクをどれだけ通すかの度合い。亢進すると血液の液体成分が周りの組織へしみ出す。
- 1
徐脈となる。不正解
敗血症では通常頻脈となり、徐脈ではない。
- 2
高血圧となる。不正解
敗血症性ショックでは血圧は低下し、高血圧とはならない。
- 3
血管透過性が低下する。不正解
血管透過性は亢進し、低下ではない。
- 4
全身炎症性反応を認める。正解
感染による全身性の炎症反応を認めるのが敗血症である。
📚 国試でよく狙われるところ
敗血症は定義と初期対応がそのまま問われる。「感染+臓器障害=敗血症」「+昇圧薬が必要=敗血症性ショック」と段階で押さえる。 敗血症は、感染症に対する制御不能な宿主反応によって生じる、生命を脅かす臓器障害と定義される。
- 敗血症性ショックは、十分な輸液を行っても平均血圧65 mmHg以上の維持に昇圧薬を要し、血中乳酸値2 mmol/Lを超える状態。
- 初期対応は血液培養を採取したうえでの早期の抗菌薬投与と輸液蘇生、感染巣のコントロール。
- 血管透過性亢進で血漿が血管外へ漏れるため、尿量や末梢冷感・網状皮斑など循環の評価が重要。
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について