第110回 看護師国家試験 午前 問21 解説
📝 問題
感染予防のための手指衛生で正しいのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 手指衛生では石けんを十分に泡立てることが正しい。
衛生的手洗いでは、石けんを十分に泡立てて手指全体をしっかり洗浄することが正しい。泡立てることで汚れや微生物を効果的に除去できる。
他の選択肢は誤りである。洗面器に溜めた水は微生物汚染の温床となるため、流水で洗うのが原則である。拭き取りに用いるタオルの共用は交差感染の原因となるためペーパータオルなど個別使用が望ましい。アルコール消毒液は乾くまで擦り込むことで効果を発揮し、紙で拭き取ってはならない。 手指衛生は標準予防策(スタンダードプリコーション)の基本である。
標準予防策とは
感染症の有無にかかわらず、すべての人の血液・体液・分泌物・排泄物・傷のある皮膚を、感染の可能性があるものとして扱う考え方。
交差感染とは
ある患者についた微生物が、医療者の手指や器具を介して別の患者へ運ばれること。院内感染の主な広がり方である。
- 1
石けんは十分に泡立てる。正解
石けんを十分に泡立てることで汚れや微生物を効果的に除去できる。
- 2
洗面器に溜めた水で洗う。不正解
溜め水は汚染源になるため流水で洗うのが正しい。
- 3
水分を拭きとるタオルを共用にする。不正解
タオルの共用は交差感染の原因となり不適切である。
- 4
塗布したアルコール消毒液は紙で拭き取る。不正解
アルコール消毒液は乾くまで擦り込み、拭き取ってはならない。
📚 一緒に確認しよう
手指衛生は、正しい手順を1つだけずらした選択肢で問われる。「流水と石けん」と「アルコール」の使い分けから入るとよい。 手指衛生には流水と石けんによる衛生的手洗いとアルコールによる手指消毒があり、目に見える汚れがあるときは流水と石けんを用いる。
- 世界保健機関(WHO〈ダブリューエイチオー〉)は手指衛生の5つのタイミング(患者に触れる前/清潔・無菌操作の前/体液に曝露された可能性のあるあと/患者に触れたあと/患者周囲の環境に触れたあと)を示している。
- 洗い残しやすい部位は指先・爪の間・母指・指の間・手首。
- ノロウイルスやクロストリジオイデス・ディフィシルの芽胞にはアルコールが効きにくいため、流水と石けんで洗い流す。
- 手洗いの妨げになる指輪・長い爪・マニキュアは避ける。
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について