第110回 看護師国家試験 午前 問14 解説
📝 問題
肝性脳症の直接的原因はどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 肝性脳症の直接的原因はアンモニアである。
肝性脳症は、肝機能低下により本来肝臓で尿素に代謝されるべきアンモニアが処理されず血中に蓄積し、脳に到達して神経症状を引き起こす病態である。 直接的原因はアンモニアである。
肝硬変などで門脈-大循環シャントが生じるとアンモニアが肝臓を経ずに全身循環に入り、高アンモニア血症となる。羽ばたき振戦や意識障害が特徴的である。 治療・看護では、腸内でのアンモニア産生を抑える目的でラクツロースの投与やタンパク質制限が行われる。 国試では「肝性脳症=アンモニア」の対応が繰り返し問われる。
羽ばたき振戦とは
手のひらを前に向けて手首を反らせたまま保たせると、鳥が羽ばたくように手が大きく上下に揺れる動き。意識がはっきりしなくなる前に現れやすい。
- 1
尿酸不正解
尿酸は痛風の原因物質で、肝性脳症の直接原因ではない。
- 2
アンモニア正解
アンモニアの蓄積が肝性脳症を直接引き起こす。
- 3
グルコース不正解
グルコースは血糖に関わるが肝性脳症の直接原因ではない。
- 4
ビリルビン不正解
ビリルビンは黄疸の原因で、脳症の直接原因ではない。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
アンモニアがどこで作られ、どこで処理されるかをたどると、誘因も治療も理由から思い出せる。 腸内細菌がタンパク質を分解して生じたアンモニアは、通常は肝臓の尿素回路で尿素に変換される。 肝機能が低下したり門脈大循環シャントがあると解毒されずに脳へ達する。
- 誘因は便秘・消化管出血・高タンパク食・脱水・電解質異常・感染・利尿薬など。
- 治療はラクツロース(腸内を酸性にしてアンモニアの産生・吸収を抑える)、難吸収性抗菌薬(リファキシミン)、分岐鎖アミノ酸製剤。
- 肝硬変の重症度はChild-Pugh分類(肝性脳症・腹水・血清ビリルビン・血清アルブミン・プロトロンビン時間)で評価する。
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について