第109回 看護師国家試験 午後 問52 解説
📝 問題
散瞳薬を用いて眼底検査を受ける成人患者への対応で適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 散瞳薬使用前に緑内障の有無を確認する。
散瞳薬(抗コリン薬)は瞳孔を開くが、閉塞隅角緑内障の患者では隅角がさらに狭くなり、眼圧が急上昇して急性緑内障発作を誘発する危険がある。 そのため検査前に緑内障の有無を確認することが欠かせない。
眼底検査は暗室で行うため、室内を明るくするのは適切でない。 散瞳には時間がかかるため点眼は検査直前ではなく余裕をもって行う。 散瞳作用は数時間持続し、まぶしさや近くの見えにくさが残るため、検査後1時間では運転できない。当日の運転は避けるよう説明する。
隅角とは
黒目のふちにある、眼の中の水(房水)が出ていく排水口の部分。ここが狭いと眼圧が上がりやすい。
- 1
検査中は室内を明るくする。不正解
眼底検査は暗室で行うため、室内を明るくするのは不適切である。
- 2
散瞳薬の点眼は検査直前に行う。不正解
散瞳には時間を要するため、点眼は余裕をもって行う。
- 3
検査前に緑内障の有無を確認する。正解
散瞳薬は緑内障発作を誘発しうるため、事前に緑内障の有無を確認する。
- 4
検査後1時間で自動車の運転が可能になると説明する。不正解
散瞳作用は数時間続き、当日の運転は避けるよう説明する。
📚 ここも一緒におさえておこう
緑内障は視神経が障害されて視野が欠けていく疾患で、失われた視野は回復しない。 早期発見と点眼の継続が大切になる。
- 閉塞隅角の患者に散瞳薬や抗コリン作用のある薬(抗ヒスタミン薬・一部の抗うつ薬など)は禁忌
- 急性緑内障発作では眼痛・頭痛・悪心嘔吐・充血・急激な視力低下をきたし、緊急に眼圧を下げる必要がある
- 散瞳後はまぶしさと近くの見えにくさが続くため、当日の自動車運転は避けるよう説明し、付き添いや公共交通機関での帰宅を勧める
- 日本では眼圧が正常範囲でも視神経が障害される正常眼圧緑内障が多い
出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について