第109回 看護師国家試験 午前 問84 解説
📝 問題
急性膵炎で正しいのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
2・5
💡 解説
✅ 急性膵炎は重症度判定に造影CTが重要で、初発症状は上腹部痛である。
急性膵炎は、膵臓が出す消化酵素が膵臓自身を溶かす自己消化によって急性の炎症が起こる病気である。典型的な初発症状は上腹部痛(心窩部痛、背部への放散痛)である。 重症度の判定には造影CTが重要で、膵の造影不良域や炎症の膵外への広がりを評価する。 「重症度判定には造影CTが重要である」「初発症状は上腹部痛である」の2つが正しい。
成因はアルコール性が最も多く、次いで胆石性であり「胆石性が多い」は誤り。急性期には血中のアミラーゼ・リパーゼが上昇し、低下するのではない。強い疼痛には鎮痛薬を投与するのが基本で「鎮痛薬は禁忌」は誤り。
アミラーゼとは
膵臓や唾液腺が出す、でんぷんを分解する酵素。膵臓が傷むと血液中にもれ出て値が上がる。
- 1
成因はアルコール性より胆石性が多い。不正解
成因はアルコール性が最も多く、胆石性が多いは誤りである。
- 2
重症度判定には造影CTが重要である。正解
造影CTは膵の造影不良や炎症の広がりを評価でき、重症度の判定に重要である。
- 3
血中アミラーゼ値が低下する。不正解
急性期は血中アミラーゼが上昇し、低下するのではない。
- 4
鎮痛薬の投与は禁忌である。不正解
強い疼痛には鎮痛薬を投与するのが基本で、禁忌ではない。
- 5
初発症状は上腹部痛である。正解
初発症状は上腹部痛(心窩部痛・背部への放散痛)である。
📚 国試でよく狙われるところ
急性膵炎は、診断の3項目と重症度の判定方法が問われる。 診断は「①上腹部痛 ②膵酵素の上昇 ③画像所見」のうち2項目以上を満たすこと。 重症度は予後因子と造影CTの所見で判定し、重症例は集中治療の対象になる。
- 成因は男性でアルコール性、女性で胆石性が多い。
- 疼痛は前屈位(胸膝位)で軽減するのが特徴。仰臥位では増強しやすい。
- 治療の基本は絶飲食・十分な初期輸液・十分な鎮痛。必要に応じて感染対策や栄養療法を行う。
- 血中アミラーゼは発症早期に上昇して数日で低下するが、リパーゼはより長く高値が続き特異度も高い。
| 時期 | 主な合併症 |
|---|---|
| 早期(発症48時間以内) | 循環不全(ショック)、呼吸不全、腎不全、播種性血管内凝固(DIC) |
| 後期 | 膵仮性囊胞、感染性膵壊死、膵膿瘍 |
| 慢性化した場合 | 慢性膵炎(脂肪便・体重減少・膵性糖尿病) |
出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について