第109回 看護師国家試験 午前 問83 解説
📝 問題
食道癌で正しいのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
4・5
💡 解説
✅ 食道癌は飲酒が危険因子で、胸部中部食道に好発する。
日本の食道癌は組織型では扁平上皮癌が大半を占め、飲酒・喫煙と熱い飲食物が主要な危険因子である。好発部位は胸部中部食道が最も多い。 「飲酒は危険因子である」「胸部中部食道に好発する」の2つが正しい。
食道癌は女性より男性に多い(女性に多いは誤り)。日本では腺癌ではなく扁平上皮癌が多い。放射線感受性は比較的高く、化学放射線療法が有効な癌であり「放射線感受性は低い」は誤り。 国試では扁平上皮癌・飲酒喫煙・好発部位(胸部中部)が頻出である。
扁平上皮癌とは
食道や皮膚などをおおう、平たい細胞から発生する癌。日本の食道癌の大半がこの型である。
- 1
女性に多い。不正解
食道癌は男性に多く、女性に多いは誤りである。
- 2
日本では腺癌が多い。不正解
日本の食道癌は扁平上皮癌が多く、腺癌が多いは誤りである。
- 3
放射線感受性は低い。不正解
食道扁平上皮癌は放射線感受性が比較的高く、化学放射線療法が有効である。
- 4
飲酒は危険因子である。正解
飲酒は食道癌の主要な危険因子である。
- 5
胸部中部食道に好発する。正解
食道癌は胸部中部食道に最も好発する。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
食道は漿膜を持たず、粘膜下層のリンパ網が豊富なため、早期からリンパ節転移や周囲の臓器への浸潤をきたしやすい。 進行すると嚥下困難・体重減少や、反回神経麻痺による嗄声が現れる。
- 危険因子は飲酒・喫煙・熱い飲食物。とくに少量の飲酒で顔が赤くなるフラッシング反応を示す人は食道癌になりやすい。
- 欧米では逆流性食道炎やバレット食道を背景とした下部食道の腺癌が増えている。
- 初期症状は嚥下時の胸のしみる感じやつかえ感で、無症状のまま健診の内視鏡で見つかることも多い。
- 術後は反回神経麻痺による嗄声・誤嚥、縫合不全、肺炎に注意する。
| 進行度 | 主な治療 |
|---|---|
| 粘膜内にとどまる早期癌 | 内視鏡的切除(EMR・ESD) |
| リンパ節転移のある進行癌 | 術前化学療法+食道切除・再建術 |
| 切除不能例・手術を希望しない例 | 化学放射線療法 |
| 通過障害のある進行例 | 食道ステント留置、バイパス術、緩和ケア |
出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について