第109回 看護師国家試験 午前 問34 解説
📝 問題
インシデントレポートで適切なのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ インシデントレポートは責任追及のためには使用されない。
インシデントレポートは、医療事故につながりかねない出来事を組織的に収集・分析し、再発防止に役立てるための報告制度である。 報告者を罰したり責任を追及したりする目的では用いず、報告しやすい文化を守ることで安全対策に活かす。
発生後は速やかに(原則当日中に)報告し、実際に患者に害が及ぶ前に発見されたヒヤリ・ハットも報告対象となる。 レポートの主な記述は「何が起きたか」という事実であり、再発防止策の立案は組織的分析の役割である。
国試では「責任追及に使わない」「速やかに報告」「未然に防げた事例も報告」の3点が繰り返し問われる。
- 1
責任追及のためには使用されない。正解
個人の責任追及ではなく、事実収集と再発防止のための制度である。
- 2
インシデントの発生から1か月後に提出する。不正解
1か月後ではなく、発生後速やかに(原則当日中に)提出する。
- 3
主な記述内容はインシデントの再発防止策である。不正解
主な記述は起きた事実であり、再発防止策の立案は組織的分析による。
- 4
実施前に発見されたインシデントの報告は不要である。不正解
実施前に発見されたヒヤリ・ハットも重要な報告対象である。
📚 国試でよく狙われるところ
医療安全は、報告の仕組みとエラーを防ぐ工夫がまとめて問われる。用語と中身を対にして覚えよう。
- ハインリッヒの法則:1件の重大事故の背後に29件の軽微な事故と300件のヒヤリ・ハットがあるとされる
- 患者への影響度はレベル0〜5で分類され、レベル0は実施前に発見されたもの(ヒヤリ・ハット)
- 医療事故調査制度(医療法)では、予期しなかった死亡・死産を医療事故調査・支援センターに報告する
- エラー対策の考え方にフェイルセーフ(誤操作しても安全側に働く)とフールプルーフ(誤った使い方ができない構造)がある
- 与薬時は6R(正しい患者・薬剤・目的・用量・用法/経路・時間)を指差し呼称で確認する
出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について