第109回 看護師国家試験 午前 問102 解説
📝 問題
血管性認知症でパーキンソニズムのある A さん(80歳、男性、要介護2)は、短期入所療養介護を利用中。A さんは「もっと歩けるようになりたい。妻の負担にならずに生活できるようになりたい」と話している。 退所後に A さんが利用する介護給付におけるサービスで最も適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 退所後に最も適切なサービスは通所リハビリテーションである。
Aさんは「もっと歩けるようになりたい」と話しており、パーキンソニズムによる歩行障害に対して継続的な機能訓練が必要である。 通所リハビリテーション(デイケア)は、医師の指示のもと理学療法士等が個別に訓練を行う介護給付のサービスで、歩行機能の維持・向上に適する。 妻の介護負担軽減にもつながる。
他の3つは、Aさんが望む「歩けるようになる」に結びつかない。 訪問介護は生活援助や身体介護が中心で訓練は行わず、療養通所介護は常時の看護を必要とする重度者が対象である。認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は住まいを移すサービスで、妻と在宅で暮らし続けたいAさんの希望と合わない。
- 1
訪問介護不正解
訪問介護は生活援助・身体介護が中心で、専門的なリハビリは提供しない。
- 2
療養通所介護不正解
療養通所介護は難病・重度要介護者や医療的ケアが必要な人が対象で、Aさんの状態に合致しない。
- 3
通所リハビリテーション正解
通所リハビリは理学療法士等が機能訓練を行い、歩行改善を望むAさんの目標に適する。
- 4
認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)不正解
グループホームは共同生活の住まいの場で、在宅生活を望むAさんの意向と異なる。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
サービス選択の問題は本人の目標から逆算する。 「歩けるようになりたい」ならリハビリ、「介護の手が足りない」なら訪問介護やショートステイ、「一人暮らしが難しい」なら住まいの検討、というように結びつける。
- 介護給付は要介護1〜5、予防給付は要支援1・2の人が対象。
- 地域密着型サービス(認知症対応型共同生活介護、小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護など)は原則としてその市町村の住民が利用する。
- 小規模多機能型居宅介護は「通い」を中心に「訪問」「泊まり」を組み合わせられ、なじみの職員が対応するため認知症の人に適する。
- 介護保険サービスの利用はケアマネジャー(介護支援専門員)が作成するケアプランに基づく。
| サービス | 主な目的 | 特徴 |
|---|---|---|
| 通所介護(デイサービス) | 日常生活の世話、機能訓練、社会的孤立の解消 | 医師の配置は不要。入浴・食事・レクリエーション |
| 通所リハビリテーション(デイケア) | 心身機能の維持回復と生活行為の向上 | 介護老人保健施設・病院・診療所が提供。医師の指示のもと理学療法士等が実施 |
| 療養通所介護 | 常時看護師による観察が必要な重度者・難病等が対象 | 看護職員が手厚く配置される |
| 認知症対応型通所介護 | 認知症の人を対象とした通所介護 | 地域密着型サービス |
出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について