第108回 看護師国家試験 午後 問80 解説
📝 問題
急性心筋梗塞患者の合併症を早期に発見するための徴候で正しいのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 急性心筋梗塞の合併症を早期に発見する徴候は、頻脈の出現である。
急性心筋梗塞では、心筋の壊死に伴い心不全・不整脈・心原性ショックなどの合併症が起こりうる。 心拍出量の低下や不整脈、交感神経の亢進により頻脈が出現し、これがポンプ失調・ショック・致死性不整脈の早期徴候となる。 脈拍は繰り返し測れるので、頻脈の出現を注意深く観察する。
他の選択肢は、心筋梗塞の合併症を示す徴候ではない。心不全が進むと心拍出量が落ちて尿量は減少するので、時間尿の増加は当てはまらない。腹壁静脈の怒張は門脈圧亢進、うっ血乳頭は頭蓋内圧亢進のサインである。 バイタルサインでは、頻脈・血圧低下・不整脈を早くとらえる視点が求められる。
時間尿とは
1時間あたりに出た尿の量。循環がうまくいっているかを知る手がかりになるため、重症の患者では1時間ごとに測る。
うっ血乳頭とは
頭蓋内の圧が高くなって視神経乳頭がむくむ状態。眼底検査で見つかる。
- 1
皮疹の出現不正解
皮疹はアレルギーや薬疹などでみられる皮膚の症状で、心筋梗塞の合併症を示す徴候ではない。
- 2
頻脈の出現正解
頻脈の出現は心拍出量低下や不整脈・ショックなど合併症の早期徴候となり、注意深い観察が必要である。
- 3
時間尿の増加不正解
心不全が進行すると心拍出量低下により尿量はむしろ減少し、時間尿の増加は合併症の徴候ではない。
- 4
腹壁静脈の怒張不正解
腹壁静脈の怒張は門脈圧亢進症などでみられる所見で、心筋梗塞の合併症の早期徴候ではない。
- 5
うっ血乳頭の出現不正解
うっ血乳頭は頭蓋内圧亢進の徴候であり、心筋梗塞の合併症を示すものではない。
📚 ここも一緒におさえておこう
急性心筋梗塞は、合併症とその徴候を入れ替えて問われる。発症直後から不整脈と心不全を見張る、と覚えよう。
- 主な合併症=致死性不整脈(心室細動)・心不全・心原性ショック・心破裂・心室中隔穿孔・乳頭筋断裂
- 心不全が進行すると尿量減少・血圧低下・末梢冷感がみられる
- 心筋の壊死を示す血液検査では心筋トロポニンの特異度が高い
| 分類 | 所見 |
|---|---|
| Ⅰ | 心不全の徴候なし |
| Ⅱ | 軽〜中等度の心不全(ラ音が全肺野の50%未満、Ⅲ音) |
| Ⅲ | 肺水腫(ラ音が全肺野の50%以上) |
| Ⅳ | 心原性ショック |
参考: 医学書院「系統看護学講座 成人看護学(循環器)」/急性冠症候群ガイドライン
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について