第108回 看護師国家試験 午後 問78 解説
📝 問題
抗甲状腺薬の副作用(有害事象)で正しいのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 抗甲状腺薬の重要な副作用として肝障害がある(無顆粒球症とともに注意を要する)。
抗甲状腺薬(チアマゾール、プロピルチオウラシル)は甲状腺ホルモンの合成を抑える薬で、重大な副作用として無顆粒球症と肝障害(肝機能障害)が知られる。 いずれも早期発見が大切で、投与を始めたあとは定期的な血液検査で白血球数と肝機能を確認する。 この2つのうち、選択肢にあるのは肝障害である。
他の選択肢は、抗甲状腺薬の副作用ではない。 頻脈と不整脈は甲状腺機能亢進症でみられる症状で、抗甲状腺薬はむしろこれらを改善する。 眼球突出はBasedow(バセドウ)病でみられる症状である。 低血糖はインスリンや経口血糖降下薬でみられるもので、抗甲状腺薬では起こらない。
無顆粒球症とは
細菌と戦う好中球が急に減ってしまう状態。感染しやすくなり、発熱やのどの痛みが最初のサインになる。
- 1
頻脈不正解
頻脈は甲状腺機能亢進症の症状であり、抗甲状腺薬はむしろこれを改善する。副作用ではない。
- 2
肝障害正解
肝障害は抗甲状腺薬の重大な副作用で、無顆粒球症とともに定期的なモニタリングを要する。
- 3
低血糖不正解
低血糖はインスリンや経口血糖降下薬でみられる副作用で、抗甲状腺薬では起こらない。
- 4
不整脈不正解
不整脈は甲状腺機能亢進症でみられる症状であり、抗甲状腺薬の副作用ではない。
- 5
眼球突出不正解
眼球突出はBasedow(バセドウ)病の症状であり、抗甲状腺薬の副作用ではない。
📚 ここも一緒におさえておこう
甲状腺は、治療薬の副作用と、機能亢進・機能低下の症状を入れ替えて問われる。症状は「代謝が上がるか下がるか」に結びつけて覚えよう。
- 抗甲状腺薬による無顆粒球症は投与開始早期に多く、発熱・咽頭痛があれば直ちに受診し白血球数を確認する
- 甲状腺機能亢進症の症状=頻脈・体重減少・発汗・手指振戦・眼球突出
- 甲状腺機能低下症の症状=徐脈・体重増加・寒がり・便秘・浮腫
| 治療 | 内容と注意点 |
|---|---|
| 抗甲状腺薬 | チアマゾール、プロピルチオウラシル。無顆粒球症・肝障害に注意 |
| 放射性ヨウ素内用療法 | 甲状腺組織を縮小させる。妊婦・授乳婦には行わない |
| 手術(甲状腺亜全摘) | 反回神経麻痺、副甲状腺機能低下(テタニー)に注意 |
参考: 医学書院「系統看護学講座 薬理学」/日本甲状腺学会 ガイドライン
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について