第108回 看護師国家試験 午後 問67 解説
📝 問題
Aさん(52歳、男性、独身)は、銀行員。切除不能の大腸癌と診断され、外来で抗癌薬の点滴静脈内注射を受けることになった。Aさんは「治療を受けながら仕事を続けたいのですが、どうすれば良いか教えてください」と外来看護師に相談した。 外来看護師が行うAさんへの助言で最も適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 治療と仕事の両立には、会社の健康管理部門への相談を助言するのが最も適切である。
Aさんは「治療を受けながら仕事を続けたい」と希望しており、就労を続けることを前提にした支援が求められる。 会社の健康管理部門(産業医・保健師等)は、業務内容の調整や勤務時間への配慮、休暇制度の活用を、本人と職場の間に立って調整できる。 治療と仕事の両立支援の窓口として最も適切である。
他の3つは、本人の希望や治療の見通しを踏まえないまま、対応をひとつに決めてしまう助言である。 所属部署の変更をいきなり勧めると、仕事を続けたいという希望を確かめないまま働き方だけを変えることになる。 副作用が出てから対応を考えるのでは後手になり、あらかじめ勤務を調整する機会を逃す。 有給休暇だけで対応するのは、休暇の日数に限りがあり、治療が続く間ずっと支えることはできない。 まず両立を支える社内の相談先につなぎ、本人が選べる幅を狭めないようにする。
- 1
「所属部署の変更を上司に申し出ましょう」不正解
所属部署の変更をいきなり勧めるのは、仕事を続けたいという本人の意向を十分に踏まえない一面的な助言である。
- 2
「副作用が出てから対応を考えましょう」不正解
副作用が出てから対応を考えるのでは後手になり、事前の両立支援という視点を欠く。
- 3
「会社の健康管理部門に相談しましょう」正解
会社の健康管理部門は、勤務時間や業務内容への配慮を職場との間で調整でき、治療と仕事の両立支援の窓口として最も適切である。
- 4
「有給休暇を使って治療を受けましょう」不正解
有給休暇のみで対応するのは限界があり、継続的な両立支援の視点に欠ける。
📚 国試でよく狙われるところ
治療と仕事の両立支援は、誰の申出から始まるか、どこが窓口かを入れ替えて問われる。 支援は本人の申出を起点に、主治医・会社・産業医が情報を共有して進める、と対にして覚えよう。
- 支援は労働者本人の申出から始まる(会社が一方的に進めるものではない)
- 主治医の意見書と産業医の意見をもとに、事業者が両立支援プランを作成する
- 就業上の措置には時間単位の休暇・時差出勤・短時間勤務・在宅勤務などがある
- がん患者では院内のがん相談支援センターも相談先になる
- 外来化学療法では副作用が出現する時期を見越して勤務を調整すると継続しやすい
参考: 厚生労働省「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について