第108回 看護師国家試験 午後 問58 解説

一般母性看護学✔ 監修済み

📝 問題

出生前診断を目的とした羊水検査で適切なのはどれか。

✅ 正解

3

💡 解説

✅ 出生前診断を目的とした羊水検査で適切なのは「合併症として流早産のリスクがある」である。

羊水検査は、腹壁から子宮に針を刺して羊水を採取し、胎児細胞から染色体や遺伝子を調べる侵襲的な出生前診断である。 穿刺に伴う破水・出血・感染などから流産・早産(流早産)を起こすことがあり、これが最も重要な合併症である(流産のリスクは0.3%前後とされる)。

他の選択肢は誤り。 羊水検査で分かるのは主に染色体異常や一部の遺伝子疾患であり、先天性疾患のほとんどを診断できるわけではない。 染色体異常(例:21トリソミー)は診断できても、根本的な治療ができるわけではない。 羊水検査は一般に妊娠15〜16週以降に実施され、「妊娠22週以降は検査できない」という記述は誤りである(人工妊娠中絶が可能な時期との混同に注意)。 侵襲的な検査なので、遺伝カウンセリングと十分なインフォームド・コンセントが欠かせない。

遺伝カウンセリングとは

遺伝性の病気や出生前検査について、専門の医師やカウンセラーが正確な情報を伝え、本人と家族が自分で決められるように支える相談のこと。

  • 1

    先天性疾患のほとんどを診断することができる。不正解

    羊水検査で分かるのは主に染色体・遺伝子異常で、先天性疾患のほとんどを診断できるわけではない。

  • 2

    診断された染色体異常は治療が可能である。不正解

    染色体異常は診断できても根本的に治療が可能とは限らず、本肢は誤りである。

  • 3

    合併症として流早産のリスクがある。正解

    羊水検査は侵襲的で、破水・感染などから流早産を起こすリスクがある。

  • 4

    妊娠22週以降は検査できない。不正解

    羊水検査は妊娠15〜16週以降に行われ、22週以降は検査できないという記述は誤りである。

📚 関連知識

主な出生前検査
検査時期の目安性格
超音波検査(NTなど)妊娠11〜13週ごろ非確定的検査
母体血清マーカー検査妊娠15〜18週ごろ非確定的検査(確率を示す)
母体血細胞遊離DNA検査〈NIPT〉妊娠10週以降非確定的検査(陽性なら確定検査が必要)
絨毛検査妊娠11〜14週ごろ確定的検査(侵襲的)
羊水検査妊娠15〜16週以降確定的検査(侵襲的、流早産のリスク)

出生前検査は受ける・受けないの選択も含めて本人の自己決定が前提であり、遺伝カウンセリングによる十分な情報提供と心理的支援が欠かせない。

参考: 日本産科婦人科学会/系統看護学講座 母性看護学

出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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