第108回 看護師国家試験 午後 問43 解説
📝 問題
成人患者の気管支喘息の治療で正しいのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 気管支喘息の治療で正しいのは「テオフィリンの投与中は血中濃度の測定が必要である」である。
テオフィリン(キサンチン系気管支拡張薬)は、効く濃度と中毒を起こす濃度が近い薬である。血液中の濃度が上がりすぎると、悪心・嘔吐、頻脈・不整脈、痙攣などの中毒症状が出る。 そのため血中濃度モニタリング(TDM)を行い、安全な範囲に保ちながら使う。
他の選択肢は誤り。吸入ステロイド薬(ICS)は口腔・咽頭カンジダ症や嗄声を防ぐため、吸入後の含嗽(うがい)が必要である。 インフルエンザワクチンは喘息のある人にも禁忌ではなく、むしろ増悪を防ぐために接種がすすめられる。 β遮断薬は気管支を収縮させて発作を誘発・悪化させるため禁忌で、発作時に用いるのは短時間作用性β2刺激薬(SABA)である。
TDM〈ティーディーエム〉とは
薬の血液中の濃さを測りながら、使う量を調節すること。効く量と中毒を起こす量が近い薬で行う。
- 1
テオフィリンの投与中は血中濃度の測定が必要である。正解
テオフィリンは治療域が狭く中毒を起こしやすいため、血中濃度測定(TDM)が必要である。
- 2
副腎皮質ステロイド薬吸入後の含嗽は必要ない。不正解
吸入ステロイド後は口腔カンジダ症や嗄声予防のため含嗽が必要である。
- 3
インフルエンザワクチン接種は禁忌である。不正解
インフルエンザワクチンは禁忌ではなく、増悪予防のため接種が推奨される。
- 4
発作時にはβ遮断薬を内服する。不正解
β遮断薬は気管支を収縮させ発作を悪化させるため禁忌で、発作時にはβ2刺激薬を用いる。
📚 国試でよく狙われるところ
気管支喘息は、薬の役割・使ってはいけない薬・発作を防ぐ生活の工夫が問われる。薬ごとに役割と注意をセットで覚えよう。
- 長期管理の中心は吸入ステロイド薬〈ICS〉。効果が出るまで数日〜数週間かかるため、症状がなくても続ける
- 発作時に用いるのは短時間作用性β2刺激薬〈SABA〉(サルブタモールなど)
- β遮断薬は気管支を収縮させるため禁忌
- アスピリンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)で発作が起こることがある(アスピリン喘息)
- ピークフローメーターによる自己管理、アレルゲンの除去、禁煙、インフルエンザワクチンの接種で発作を防ぐ
参考: 日本アレルギー学会 喘息予防・管理ガイドライン/系統看護学講座 成人看護学 呼吸器
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について