第108回 看護師国家試験 午後 問105 解説
📝 問題
Aちゃん(生後10か月)は、腸重積症と診断され、高圧浣腸が行われた。 Aちゃんは、高圧浣腸により重積が整復され、経過観察のため入院した。翌朝、経口摂取が可能となり、状態も落ちついているため退院が決定した。保護者から「退院後に何か注意することはありますか」と看護師に質問があった。 保護者への説明で適切なのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 腸重積症は整復後も再発しうるため、同じような症状が出たら受診するよう保護者に説明するのが適切である。
高圧浣腸で整復された腸重積症は、退院後にも再発することがあり、その多くは発症から早い時期に起こる。 保護者には、間欠的啼泣・嘔吐・血便という同じ症状がまた出たら、すぐ受診するよう伝えるのが最も適切である。 早く見つけられれば、再び非観血的整復で治せる可能性が高くなる。
他の3つは、整復後に決められている指導ではない。 月1回の定期受診が必要とされているわけではなく、入浴も状態が安定していれば通常どおりでよい。 離乳食も、経口摂取ができるようになれば、もとの回数に戻してよい。
非観血的整復とは
手術で切開せずに、浣腸の圧などで入り込んだ腸をもとの位置に戻すこと。「観血的」は切開を伴うという意味で、その反対をいう。
- 1
「月1回の受診をしてください」不正解
整復後に月1回の定期受診を要する医学的根拠はなく、必要な退院指導ではない。
- 2
「3日間は入浴を控えてください」不正解
整復後に入浴を3日間控える必要はなく、状態が安定していれば通常の入浴が可能である。
- 3
「1週間は離乳食を1日1回にしてください」不正解
経口摂取が可能となり状態が落ち着けば通常の離乳食に戻せるため、一律に回数を制限する必要はない。
- 4
「同じような症状が出たら受診してください」正解
腸重積症は再発しうるため、間欠的啼泣・嘔吐・血便など同様の症状出現時に受診するよう伝えるのが適切である。
📚 ここも一緒におさえておこう
腸重積症は、整復の方法と整復後の指導がセットで問われる。退院指導は「どんな症状が出たら受診するか」を具体的に伝えるのが中心になる。
- 整復は超音波下・透視下の高圧浣腸(空気または造影剤を使う)で行うのが基本
- 発症から時間が経った例や腹膜炎・ショックを伴う例では手術が必要
- 整復後は再発しうるため、同様の症状が出たら速やかに受診するよう伝える
- 状態が落ち着けば食事や入浴は通常どおりでよく、過度な制限は不要
参考: 日本小児外科学会「小児外科疾患の診療指針」
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について