第108回 看護師国家試験 午後 問104 解説
📝 問題
Aちゃん(生後10か月)は、夕方から突然不機嫌になり、15〜20分ごとに激しく泣いては、泣き止むことを繰り返した。腸重積症が疑われグリセリン浣腸が行われた。 Aちゃんへの腹部超音波検査の結果、腸重積症の診断が確定し、静脈内注射による鎮静下で高圧浣腸が行われることになった。 看護師が一連の処置の準備をするにあたり、最も重要な物品はどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 鎮静下での高圧浣腸では、呼吸抑制を監視するためSpO2モニターが最も重要な物品である。
高圧浣腸は、静脈内注射による鎮静の下で行われる。 鎮静薬は呼吸抑制を起こしうるため、処置の間ずっと乳児の状態を監視できる経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉モニターが、最も重要な準備物品になる。 生後10か月の乳児は呼吸予備能が小さく、鎮静に伴う低酸素が急速に進む。早く気づいて対応できる体制が安全を支える。 国試では「鎮静=呼吸抑制の監視」が繰り返し問われる。
他の3つは、処置には必要でも、生命に直結する物品ではない。 潤滑ゼリーはカテーテルの挿入に、替えのおむつは反応便の確認に、ガーグルベースンは嘔吐への備えに使う。 「最も重要」と問われたら、生命に直結する監視機器を選ぶ。
高圧浣腸とは
肛門から空気や造影剤を入れ、その圧力で入り込んだ腸を押し戻す治療。腸重積症では、これで手術をせずに治せることが多い。
- 1
潤滑ゼリー不正解
潤滑ゼリーは浣腸に用いるが、鎮静下処置における安全確保という観点では最重要ではない。
- 2
替えのおむつ不正解
替えのおむつは反応便の確認に必要だが、生命に直結する監視物品ではなく最優先ではない。
- 3
ガーグルベースン不正解
ガーグルベースンは嘔吐時の対応物品で、鎮静下での呼吸監視より優先度は低い。
- 4
経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉モニター正解
鎮静薬による呼吸抑制を早期に検知するため、SpO2モニターが最も重要な物品である。
📚 ここも一緒におさえておこう
鎮静を伴う検査・処置は、「何を先に準備するか」を問う形で出る。気道・呼吸・循環を監視できる体制を先に整える、と覚えよう。
- 準備するもの=SpO2モニター・心電図モニター・酸素・吸引器・バッグバルブマスク・救急薬品
- 小児は呼吸予備能が小さく、鎮静による低酸素が急速に進む
- 鎮静後は覚醒し呼吸・循環が安定するまで観察を続ける
参考: 日本小児科学会「小児の鎮静・鎮痛に関するガイドライン」
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について