第108回 看護師国家試験 午前 問67 解説
📝 問題
注意欠如・多動性障害〈ADHD〉の症状はどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 課題や活動に必要な物をしばしば失くすのは、注意欠如・多動性障害〈ADHD〉の不注意の症状である。
注意欠如・多動性障害〈ADHD〉は、不注意・多動性・衝動性を中核症状とする発達障害である。 不注意とは、必要な物をよく失くす、課題を最後までやり遂げられない、忘れっぽい、気が散りやすい、といった状態をいう。
他の3つは、別の神経発達症の症状である。 音声チックはチック症・トゥレット症の症状である。 計算の習得の困難は限局性学習症(算数障害)、読んだ内容の意味がつかめないのは読みの困難を示す限局性学習症の症状である。
音声チックとは
自分の意思とは関係なく、せき払いや「あっ」といった声が急に出てしまう症状。手足が動く運動チックと対になる。
- 1
音声チックが出現する。不正解
音声チックはチック症・トゥレット症の症状であり、ADHDの中核症状ではない。
- 2
計算を習得することが困難である。不正解
計算の習得困難は限局性学習症(算数障害)の症状でありADHDではない。
- 3
課題や活動に必要なものをしばしば失くしてしまう。正解
課題や活動に必要な物をしばしば失くすのは、ADHDの不注意の症状である。
- 4
読んでいるものの意味を理解することが困難である。不正解
読んでいるものの意味理解の困難は学習症に関わる症状でありADHDの中核症状ではない。
📚 混同しやすいので注意
ADHDは、いくつかの症状が12歳になる前から現れていることが診断の要件になる。 神経発達症は、症状と障害名を入れ替えて問われる。中核症状を1つずつ対にして覚えよう。
| 障害 | 中核症状 |
|---|---|
| 注意欠如・多動性障害〈ADHD〉 | 不注意(忘れる・失くす・集中が続かない)、多動性、衝動性 |
| 自閉スペクトラム症〈ASD〉 | 社会的コミュニケーションの障害、限定的・反復的な行動や興味、感覚の過敏や鈍麻 |
| 限局性学習症〈SLD〉 | 読み・書き・算数のいずれかの習得と使用の著しい困難 |
| チック症/トゥレット症 | 運動チックと音声チック(トゥレット症は両方が1年以上持続) |
参考: DSM-5に基づく精神医学・精神看護学の標準的知見
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について