第108回 看護師国家試験 午前 問53 解説
📝 問題
高齢者に対する生活史の聴き方で適切なのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 高齢者の生活史の聴取では、話しやすい時代の思い出から聴くのが適切である。
生活史の聴取は回想法にも通じる関わりで、語りやすいテーマ(若い頃の思い出など)から始めると信頼関係が築かれ、豊かな語りが引き出される。 土台になるのは傾聴・受容・共感の姿勢である。
他の3つは、語りを引き出す方法としてふさわしくない。 認知機能の評価尺度は目的が異なり、生活史の聴取そのものには必須でない。事実と異なる内容をその場で訂正すると語りを妨げ、関係を損ねる。文書による同意は研究などで必要になることはあるが、日常の生活史の聴取に一律に先立って求めるものではない。
- 1
認知機能の評価尺度を用いる。不正解
認知機能評価尺度の使用は目的が異なり、生活史の聴取に必須の方法ではない。
- 2
事実と異なる聴取内容を訂正する。不正解
事実と異なる内容をその場で訂正すると語りを妨げ関係を損なうため、聴き方として不適切である。
- 3
話を聴く前に文書による同意を得る。不正解
文書による同意を一律に先立って求めることは日常の生活史聴取には必ずしも必要でなく、最も適切とはいえない。
- 4
高齢者が話しやすい時代の思い出から聴く。正解
話しやすい時代の思い出から聴くと語りを促しやすく、生活史の聴き方として適切である。
📚 ここも一緒におさえておこう
回想法は、人生を振り返って語ることで自尊感情を高め、心理的な安定を図る関わりである。 エリクソンのいう老年期の課題「統合性」の達成を支える意味をもつ。
- グループ回想法と個人回想法があり、写真・音楽・昔の生活道具など懐かしい物を手がかりに用いる。
- 認知症のある人でも昔の記憶(長期記憶)は保たれやすく、回想法を適用しやすい。
- 誤りをその場で訂正しない、話のペースに合わせる、沈黙を待つことが基本姿勢である。
- 難聴のある高齢者には正面から・ゆっくり・低めの声で話す。
参考: 系統看護学講座 老年看護(回想法・ライフヒストリー)/高齢者とのコミュニケーション技術
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について