第108回 看護師国家試験 午前 問38 解説
📝 問題
便秘を訴えている患者の打診のアセスメント項目で適切なのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 腸内にガスがたまった鼓腸は打診で鼓音として確認できるため、便秘患者の打診のアセスメント項目として適切である。
腹部の打診では、ガスがたまった部位で鼓音、内容物や腫瘤・腹水がある部位で濁音が得られる。 便秘で腸内にガスがたまった鼓腸では鼓音が広い範囲で聞こえるため、打診で評価できる。
他の選択肢は、打診ではなく別の手技でみるものである。 固い腫瘤と筋性防御(デファンス)は、手で押して確かめる触診で捉える。 叩打痛は肋骨脊柱角などを叩いて疼痛を評価する手技で、腎の炎症などを疑うときに用いる。
打診で分かるのは音の違いである。しこりの硬さや腹壁の緊張は、触れてみないと分からない。
- 1
固い腫瘤不正解
固い腫瘤は触診で評価する項目であり、打診のアセスメント項目としては適切でない。
- 2
筋性防御不正解
筋性防御(デファンス)は触診で捉える腹膜刺激徴候であり、打診の項目ではない。
- 3
叩打痛不正解
叩打痛は腎部などを叩いて痛みをみる手技で、便秘の打診アセスメントの主目的ではない。
- 4
鼓腸正解
鼓腸ではガスがたまって鼓音が得られ、打診で評価できる。
📚 混同しやすいので注意
腹部のフィジカルアセスメントは、手技と評価内容を入れ替えて問われる。どの手技で何が分かるかを対にして覚えよう。 順序は視診→聴診→打診→触診で、触診や打診を先に行うと腸蠕動音が変わってしまう。
- 腸蠕動音の消失(5分以上聴取されない)は麻痺性イレウスや腹膜炎を示唆する。
- 筋性防御・反跳痛(Blumberg徴候)は腹膜刺激徴候で、急性腹症を疑う所見である。
- 移動性濁音は腹水の存在を示唆する。
| 手技 | 主に評価する内容 |
|---|---|
| ①視診 | 腹部の膨隆・陥凹、皮膚の状態、手術瘢痕、静脈怒張、蠕動不穏 |
| ②聴診 | 腸蠕動音(亢進・減弱・消失)、血管雑音 |
| ③打診 | 鼓音(ガス貯留・鼓腸)、濁音(腫瘤・腹水・充満した膀胱)、肝濁音界 |
| ④触診 | 圧痛、腫瘤、筋性防御・反跳痛(腹膜刺激徴候)、肝・脾の腫大 |
参考: 系統看護学講座 腹部のフィジカルアセスメント(打診音)/フィジカルアセスメントの基本手技
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について