第108回 看護師国家試験 午前 問14 解説
📝 問題
鮮紅色の下血が見られた時の出血部位で正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 鮮紅色の下血が見られる出血部位は直腸である。
消化管の出血は、血液が消化液にさらされる時間が長いほど黒く変わる。 出血した場所が肛門に近いほど新鮮な鮮紅色のまま出て、口側に近いほど黒いタール便になる。
選択肢のうち肛門にいちばん近いのは直腸で、鮮紅色の下血に合う。胃・食道・十二指腸はいずれも上部消化管で、出血すると黒色便になることが多い。
- 1
胃不正解
胃からの出血は上部消化管出血で、黒色のタール便となることが多い。
- 2
食道不正解
食道からの出血も上部消化管出血で、吐血になるか黒色便として出る。
- 3
直腸正解
直腸は肛門に近い下部消化管で、出た血液が変化しないまま鮮紅色で排泄される。
- 4
十二指腸不正解
十二指腸は上部消化管にあたり、出血すると黒色便となることが多い。
📚 混同しやすいので注意
吐血・喀血・下血・血便は、色と性状から出どころを言い当てさせる形で問われる。似た見た目でも原因が違うものがあるので、まぎらわしいものと対にして覚えよう。
- 上部消化管出血では、血液が胃酸で変性してコーヒー残渣様の吐血となる。
- タール便が生じるには50〜100mL以上の上部消化管出血が必要とされる。
- 鉄剤や活性炭の内服でも便が黒くなるため、服薬内容の確認が必要である。
| 用語 | 性状 | 主な出血部位 |
|---|---|---|
| 吐血 | 鮮紅色〜コーヒー残渣様 | 上部消化管(食道・胃・十二指腸) |
| 喀血 | 泡沫状の鮮紅色、咳とともに出る | 気道・肺 |
| 下血(タール便・黒色便) | 黒色・粘稠・特有の悪臭 | 上部消化管 |
| 血便(鮮血便) | 鮮紅色〜暗赤色 | 下部消化管(大腸・直腸・肛門) |
参考: 標準的な消化器病態生理学教科書
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について