第107回 看護師国家試験 午後 問68 解説
📝 問題
紙カルテと比較したときの電子カルテの特徴として正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 紙カルテと比較した電子カルテの特徴として正しいのは、多職種間の情報共有が容易になることである。
電子カルテは診療情報をデジタルデータとして一元管理するため、同時に複数の職種・部門が同じ情報にアクセスでき、多職種間の情報共有や連携が容易になる。 また検索・集計が迅速に行え、判読性が高く、法定保存期間(診療録は5年)を電子的に確実に管理できる利点がある。 一方でシステム障害やサイバー攻撃、不正アクセスによる個人情報漏えいのリスクは残るため、セキュリティ対策が不可欠である。
国試では電子カルテの利点(情報共有・集計の容易さ、判読性向上)と留意点(情報漏えいリスクはゼロにならない、システム障害への備え)を対比して問う。 「漏えいの危険性がなくなる」という断定は誤りとして頻出するので注意する。
- 1
データ集計が困難である。不正解
電子カルテはデータの検索・集計がむしろ容易になる。
- 2
診療録の保存期間が短い。不正解
診療録の法定保存期間は媒体にかかわらず5年で、電子化により短くなるわけではない。
- 3
多職種間の情報共有が容易になる。正解
複数職種・部門が同一情報に同時アクセスでき、多職種間の情報共有が容易になる。電子カルテの代表的な利点である。
- 4
個人情報漏えいの危険性がなくなる。不正解
不正アクセスやシステム障害による漏えいリスクは残り、「危険性がなくなる」とは言えない。
📚 国試でよく狙われるところ
電子カルテは、記録ごとの法定保存期間と、電子化で満たすべき条件を入れ替えて問われる。記録の種類と年数を対にして覚えよう。 電子化しても保存期間は変わらない。
- 電子カルテには真正性・見読性・保存性の3基準(電子保存の三原則)が求められる
- 情報漏えいのリスクはゼロにならないため、ID・パスワード管理とアクセスログの監査が必要
| 記録 | 期間 | 根拠法 |
|---|---|---|
| 診療録(カルテ) | 5年 | 医師法 |
| 助産録 | 5年 | 保健師助産師看護師法 |
| 処方箋 | 3年 | 医師法・薬剤師法 |
| 看護記録・エックス線写真等(診療に関する諸記録) | 2年 | 医療法 |
参考: 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」/医療法・医師法(診療録の保存)
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について