第107回 看護師国家試験 午後 問65 解説
📝 問題
A さん(70歳、男性)。1人暮らし。脳出血の手術後、回復期リハビリテーション病棟に入院中である。神経因性膀胱のため、膀胱留置カテーテルを挿入している。要介護2で、退院後は看護小規模多機能型居宅介護を利用する予定である。 退院後に A さんが行う膀胱留置カテーテルの管理で適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 膀胱留置カテーテルの管理では、外出前に蓄尿バッグの尿を廃棄するのが適切である。
膀胱留置カテーテル管理の基本は閉鎖式ドレナージの維持と逆行性感染の予防である。 外出時は蓄尿バッグを空にしておくことで、バッグ内の尿の重みや揺れによる逆流を防ぎ、移動を容易にできる。 蓄尿バッグは常に膀胱(挿入部)より低い位置に保ち、尿の逆流を防止する。 閉鎖回路を保つため、接続部を不必要に外さないことも感染予防上重要である。
国試では、蓄尿バッグの位置(膀胱より低く)、閉鎖式回路の維持、固定部位(男性は陰茎を上向きにし下腹部固定、女性は大腿部)などが繰り返し問われる。 「大腿内側固定」「接続を外さない」は表現の細部で正誤が分かれるため、感染予防と逆流防止の原則から判断する。
閉鎖式ドレナージとは
カテーテルと蓄尿バッグをつないだまま外さず、尿の通り道を外気にさらさない方式。細菌が膀胱へさかのぼるのを防ぐ。
- 1
蓄尿バッグに遮光カバーをかぶせる。不正解
膀胱留置カテーテルでは膀胱内の尿を光から遮る必要はなく、遮光カバーは不要。持続皮下・点滴の薬剤等と混同しやすい。
- 2
カテーテルは大腿の内側に固定する。不正解
男性では尿道の屈曲による尿道損傷・炎症を防ぐため陰茎を上向きにして下腹部に固定するのが基本で、大腿の内側には固定しない。
- 3
外出前に蓄尿バッグの尿を廃棄する。正解
外出前にバッグを空にすることで逆流や重みによる負担を防ぎ、移動しやすくなる。適切。
- 4
カテーテルと蓄尿バッグの接続は外さない。不正解
閉鎖式回路の維持は重要だが、蓄尿バッグの交換などで接続を外す場面はあり、そのときは無菌的に扱う。
📚 ここも一緒におさえておこう
膀胱留置カテーテル関連尿路感染(CAUTI)の予防は、留置期間の短縮と閉鎖式回路の維持が基本である。
- 蓄尿バッグは常に膀胱より低い位置に置き、床には直接触れさせない
- 固定部位は男性は下腹部(陰茎を上向き)、女性は大腿部
- 定期的な膀胱洗浄や予防的な抗菌薬投与は感染予防効果がなく推奨されない
- 陰部洗浄は石けんと微温湯で行い、消毒薬の日常的使用は不要
- 不要になったら早期に抜去することが最も有効な感染対策
参考: CDC カテーテル関連尿路感染予防ガイドライン/系統看護学講座 在宅看護論
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について