第107回 看護師国家試験 午後 問18 解説
📝 問題
男性に導尿を行う際、カテーテル挿入を開始するときの腹壁に対する挿入角度で最も適切なのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 男性の導尿では、挿入開始時に陰茎を腹壁に対して約80〜90度に持ち上げる。
男性の尿道はS状に湾曲しているため、導尿の開始時には陰茎を腹壁に対して約80〜90度に持ち上げ、恥骨前部の湾曲を伸ばした状態でカテーテルを挿入する。 ある程度挿入したら陰茎を60度程度に倒し、球部の湾曲に沿わせて進めると、抵抗なく膀胱へ到達しやすい。
国試では男性導尿の角度が定番で問われる。 「開始時は約80〜90度に立てる→途中で倒す」という手順を押さえておく。 女性は尿道が短くほぼまっすぐで、この持ち上げは行わない。
- 1
30〜40度不正解
30〜40度では尿道の湾曲を十分に伸ばせず、挿入開始角度としては小さすぎる。
- 2
80〜90度正解
開始時に腹壁に対し80〜90度に陰茎を持ち上げると尿道の湾曲が伸び、挿入しやすい。
- 3
120〜130度不正解
120〜130度では逆方向に傾き、挿入開始角度として不適切である。
- 4
160〜170度不正解
160〜170度は尿道の走行に沿わず、挿入開始角度として不適切である。
📚 混同しやすいので注意
導尿は男女の尿道の解剖学的差異がそのまま手技の違いになる。 無菌操作の徹底と、感染・出血・尿道損傷を防ぐ工夫が共通の要点になる。
- 抵抗があるときは無理に進めず、深呼吸を促して力を抜いてもらう
- 尿閉で大量に貯留している場合は、急激な減圧による粘膜出血・血圧低下を避けるため一度に全量を排出しない
- 留置カテーテルでは閉鎖式回路の維持と、蓄尿バッグを膀胱より低い位置に保つことが尿路感染予防の基本
| 項目 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 尿道の長さ | 約16〜20cm(S状に湾曲) | 約3〜4cm(短くほぼ直線) |
| カテーテル挿入長 | 約18〜20cm | 約4〜6cm |
| 開始時の陰茎の角度 | 腹壁に対し約80〜90度に持ち上げる | — |
| 注意点 | 前立腺部で抵抗を感じやすい | 尿道口が腟前庭にあり、肛門に近く感染しやすい |
参考: 医学書院『系統看護学講座 基礎看護学』(導尿の手技)
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について