第107回 看護師国家試験 午後 問12 解説

⭐ 必修疾病の成り立ちと回復の促進✔ 監修済み

📝 問題

潰瘍性大腸炎によって生じるのはどれか。

✅ 正解

1

💡 解説

✅ 潰瘍性大腸炎では、炎症で傷ついた大腸粘膜から血液や滲出液がしみ出す滲出性下痢が生じる。

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる慢性の炎症性腸疾患である。 炎症で傷ついた粘膜から、血液・粘液・滲出液が腸管の中へしみ出す。

こうして起こるのが滲出性下痢で、血便・粘血便を伴うのが特徴である。

びらんとは

粘膜の表面がはがれて浅くえぐれた状態。もっと深くえぐれたものを潰瘍という。

  • 1

    滲出性下痢正解

    粘膜の炎症・潰瘍から滲出液や血液が漏出して生じる滲出性下痢が潰瘍性大腸炎の特徴である。

  • 2

    分泌性下痢不正解

    分泌性下痢はコレラ毒素などによる腸管の水分分泌亢進で生じ、潰瘍性大腸炎の主機序ではない。

  • 3

    脂肪性下痢不正解

    脂肪性下痢は脂肪吸収障害(膵外分泌不全等)で生じ、潰瘍性大腸炎の機序とは異なる。

  • 4

    浸透圧性下痢不正解

    浸透圧性下痢は吸収されない浸透圧物質(下剤・乳糖等)による下痢であり、本疾患の機序ではない。

📚 混同しやすいので注意

潰瘍性大腸炎とクローン病は、病変の部位・分布・深さを入れ替えて問われる。表で縦に対にして覚えよう。下痢の種類も原因と組み合わせて問われる。 どちらも炎症性腸疾患で指定難病である。

  • 下痢の分類:滲出性(炎症性腸疾患)、分泌性(コレラ毒素など)、浸透圧性(下剤・乳糖不耐)、運動亢進性(過敏性腸症候群・甲状腺機能亢進症)
  • 重症の下痢では脱水・低カリウム血症・代謝性アシドーシスに注意する
潰瘍性大腸炎とクローン病の比較
項目潰瘍性大腸炎クローン病
好発部位大腸(直腸から連続して口側へ)口腔〜肛門の全消化管(回盲部に好発)
病変の分布連続性・びまん性非連続性(skip lesion)
炎症の深さ粘膜・粘膜下層全層性
特徴的所見粘血便・血性下痢、偽ポリープ縦走潰瘍・敷石像、瘻孔・狭窄、肛門部病変
栄養療法中心ではない成分栄養剤による栄養療法が有効
長期経過大腸癌のリスクが上昇狭窄・瘻孔で手術を要することが多い

参考: 医学書院『系統看護学講座 疾病の成り立ちと回復の促進』

出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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