第107回 看護師国家試験 午後 問102 解説
📝 問題
次の文を読み100〜102の問いに答えよ。 A 君(14歳、男子)。サッカー部の部活動中に熱中症を発症。 A 君は熱中症と診断された。点滴静脈内注射の後、A 君の状態は回復し、家族とともに帰宅することとなった。付き添いの B 教諭から、今後の部活動における熱中症予防について看護師に相談があった。 熱中症予防のための指導内容で適切なのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 熱中症予防では口渇を感じる前からこまめに水分を摂取するよう促すことが適切である。
熱中症予防の基本は、脱水を未然に防ぐための計画的な水分・塩分補給である。 口渇はすでに体内の水分が不足し始めてから生じるので、口渇を感じてから飲むのでは遅い。 「口渇がなくても」定期的に水分を摂取するよう促すことが、最も適切な指導になる。 運動時は失った分を補うため、塩分を含む飲料を用いることも有効である。
袖口の狭い服は熱の逃げ道をふさぐので、ゆったりした涼しい服装にする。 湿度が高いと汗をかいても気化熱を奪えず、熱中症の危険が高まる。 休憩は90分に1回では長すぎ、暑熱環境では30分に1回程度を目安にする。 予防の要点は、早めの水分補給・涼しい服装・高温多湿の回避・こまめな休憩の4つである。
- 1
袖口の狭い服の着用を促す。不正解
袖口の狭い服は熱がこもり放熱を妨げる。通気性のよいゆったりした服装が望ましい。
- 2
口渇がなくても水分摂取を促す。正解
口渇は脱水が始まってから生じるため、口渇がなくても計画的に水分を摂取することが予防に有効である。
- 3
湿度が高いときに部活動をする。不正解
湿度が高いと発汗の気化熱放散が妨げられ熱中症リスクが上がるため、高湿度時の活動は避ける。
- 4
休憩は90分に1回を目安にする。不正解
90分に1回の休憩は長すぎる。暑熱環境ではより頻回に休憩と水分補給を取る必要がある。
📚 国試でよく狙われるところ
熱中症予防は、水分・塩分の摂り方、服装、暑さへの慣らし方、そして暑さ指数WBGT(湿球黒球温度)による活動の判断が問われる。 数値と、そのとき何をするかをセットで覚えよう。
- 発汗量が多いときは0.1〜0.2%程度の食塩を含む飲料(経口補水液・スポーツドリンク)が適する
- 服装は通気性のよい、ゆったりした淡色のものとし、帽子を着用する
- 暑熱順化(徐々に暑さに体を慣らす)には1〜2週間程度かかる
| WBGT | 区分 | 目安 |
|---|---|---|
| 31℃以上 | 運動は原則中止 | 特別の場合以外は運動を中止する |
| 28〜31℃ | 厳重警戒 | 激しい運動は中止し、頻繁に休息と水分補給をとる |
| 25〜28℃ | 警戒 | 積極的に休息をとり水分を補給する |
| 21〜25℃ | 注意 | 死亡事故が起こりうるため水分補給を行う |
WBGTは気温だけでなく湿度・輻射熱を加味した指標で、湿度の影響が大きい。
参考: 環境省「熱中症予防情報サイト」/日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について