第107回 看護師国家試験 午前 問79 解説
📝 問題
Aさん(28歳、女性)は、2歳の子どもを養育しながら働いている。Aさんが所定労働時間の短縮を希望した場合、事業主にその措置を義務付けているのはどれか。
✅ 正解
5
💡 解説
✅ 所定労働時間の短縮措置を事業主に義務付けているのは育児・介護休業法である。
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児・介護休業法)は、3歳未満の子を養育する労働者について、事業主に所定労働時間の短縮措置(短時間勤務制度)を講じることを義務付けている。 2歳児を養育しながら働くAさんが短時間勤務を希望した場合の根拠法はこの法律である。
他の選択肢は、育児のための時短措置を事業主に義務付ける法律ではない。 労働基準法は労働条件の最低基準(労働時間・産前産後休業など)、男女雇用機会均等法は雇用における性差別の禁止、男女共同参画社会基本法は基本理念、児童福祉法は児童福祉の理念と施設・事業を定めている。
所定労働時間とは
就業規則などで会社が決めている、1日・1週間に働くことになっている時間。法律の上限とは別のもの。
- 1
児童福祉法不正解
児童福祉法は児童福祉の理念や施設・事業を定める法で、労働時間短縮措置を事業主に義務付けるものではない。
- 2
労働基準法不正解
労働基準法は労働条件の最低基準を定めるが、育児のための所定労働時間短縮措置はこの法の役割ではない。
- 3
男女共同参画社会基本法不正解
男女共同参画社会基本法は理念法であり、個別の短時間勤務措置を事業主に義務付けるものではない。
- 4
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(男女雇用機会均等法)不正解
男女雇用機会均等法は雇用上の性差別禁止などを定める法で、育児のための時短措置の直接の根拠ではない。
- 5
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児・介護休業法)正解
育児・介護休業法が育児のための所定労働時間の短縮措置を事業主に義務付けている。
📚 国試でよく狙われるところ
働く人の育児・介護の制度は、どの法律が何を定めているかを入れ替えて問われる。制度名と法律名を対にして覚えよう。 産前産後休業は労働基準法、育児休業・介護休業・子の看護等休暇・短時間勤務・所定外労働の免除は育児・介護休業法、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止は男女雇用機会均等法が定める。
- 育児休業は原則子が1歳になるまで。保育所に入所できないなどの事情があれば最長2歳まで延長できる
- 産後パパ育休(出生時育児休業)は、子の出生後8週間以内に通算4週間まで、2回に分割して取得できる
- 子の看護等休暇は小学校3年生修了までの子が対象で、子1人につき年5日、2人以上なら年10日を時間単位で取得できる
- 介護休業は対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる
- 3歳未満の子を養育する労働者には、所定労働時間の短縮措置(1日6時間)が事業主に義務付けられている
- 所定外労働(残業)の免除は、小学校就学前の子を養育する労働者が請求できる
参考: 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について